Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第四章 血なまぐさい軍事政権から脱却―…  

「太平洋の旭日」パトリシオ・エイルウィン(池田大作全集第108巻)

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10  奉仕の使命感がリーダーには不可欠
 エイルウィン リーダーに不可欠なものは、おっしゃるとおり、まず、奉仕の使命感、公共心といわれるものです。祖国がかかえるさまざまな問題への関心、自分一人のために生きているのではない、自分が属する国の共同体に奉仕するために生きているのだ、と感じることは、とても美しい生きている理由です。
 第一に祖国、国家共同体が重大事であり、その後、最後に個人的なことがきます。この奉仕の使命感というものを、チリ建国に尽力したオヒギンスのような祖国の父親たちに見いだすことができます。勇敢に、大胆に、祖国のためにみずからの生命を賭けた人たちの中にです。
 池田 よく分かります。
 エイルウィン あなたは今、仏教の指導者論に言及されましたが、キリスト教の教えと一致します。このことは重要であり、意味深長です。キリストは「人間の子は奉仕されるためにではなく、奉仕するために生まれたのだ」と強調し、「偉大な人物になりたいものは他者に仕えなければならない」と弟子たちに説いています。
 しかし、奉仕の意志と、素質だけでは、まだ十分ではありません。節操も必要なのです。節操とは、言っていることを行動に移すこと、信じる価値観や行動原理と合致した行動をとることです。あることを唱えながら、まったく異なることを実際に行うことを、節操がないと申し上げたいのです。
 池田 分かります。言行不一致こそ、指導者にあってはならないことで、もっとも恥ずべきことです。
 私事になりますが、今日まで世界の識者と友情を結び、民間レベルで交流を深めてきましたが、信頼を醸成できたのは、一にも二にも、約束は守る、言ったことは断じて実行する、これしかありません。
                

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