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新時代第14回本部幹部会 広布第2幕第1回全国婦人部幹部会

2008.1.10 スピーチ(聖教新聞2008年下)

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21  嘘を許すな
 フランスの思想家ルソーは綴った。
 「宗教というものをいっさい忘れてしまうとは人間の義務を忘れることになる」(今野一雄訳『エミール〈中〉』岩波文庫)。
 その通りだ。精神性や哲学を失ってしまえば、人間は人間でなくなってしまう。動物のような生き方になってしまうだろう。
 一流の思想家の洞察は、まことに鋭い。
 ロシアの文豪チェーホフ。彼は、小説の中で登場人物にこう語らせている。
 「悪徳を甘やかすなと言うのさ」(『チェーホフ全集8』神西清訳、中央公論新社)
 悪徳を許せば、その悪影響は、どんどん周りへと広がっていく。
 彼は、小説でこうも綴っている。
 「嘘ばかりついてきたんで、骨の髄まで腐れはてちまった」(『全集6』原卓也訳、同)
 「嘘ほど人間を卑しめるものはありませんからね」(『全集5』同)
 嘘というのは恐ろしい。周りを欺くだけでなく、自分自身の人間性をも破壊する。
 同じくロシアの文豪トルストイは記した。
 「人間は本来、高みへ、高みへと飛翔していける羽をもっているのだ」
 いい言葉である。
 高みへ、高みへと昇りゆく力。それが妙法であり、私たちの信心である。
22  皆、健康で! たゆまず進め
 ドイツの大詩人ゲオルゲを、ご存じだろうか。
 かつて、この詩人の展示会をSGIのドイツ総合文化センターで行った。その際、統一ドイツのヴァイツゼッカー初代大統領が、会館を訪れてくださったことは忘れ得ぬ歴史である。
 今、世界の多くの指導者や識者が学会の人間主義の運動に賛同し、高い評価を寄せてくださっている。
 私は、これまで世界平和のために、あらゆる手を打ってきた。決して簡単なことではなかった。それが今、大きく花開いている。
 戸田先生は私を本当に大切にしてくださった。私は、先生の不二の弟子として、世界広布を前進させてきた。
 すべて先生のおっしゃるとおりにやってきた。
 真実の師弟ほど、荘厳なものはない。偉大なものはない。
 どこの世界でも、大きな団体でも、こうした“根幹”がしっかりしているところは強い。歴史に残る存在となっている。
 ドイツの詩人をはじめ、私は青春時代から多くの詩や文学に親しんできた。
 戸田先生からも「今、何を読んでいる?」「何が書いてあった?」「感想を言ってみなさい」としょっちゅう聞かれた。
 飛行機でも列車の中でも、すべてが教育の場だった。ほっとするひまなどなかった。
 ともあれ、ゲオルゲは、こう綴っている。
 「滔々と流れぬ限り水はともすれば濁るのだから/私たちの精神はしばしばおのれの限界を突破する」(富岡近雄訳『ゲォルゲ全詩集』郁文堂)
 停滞は、よどみを生む。戦わなければ、私たちの精神は濁ってしまう。常に前へ、前へと進みゆくことだ。
 以上でスピーチを終わりたい。新年の幹部会、ありがとう!
 皆、健康で、成長して、勝利者になっていただきたい。私も一生懸命に祈っていきます。 諸君も頼むよ!
 〈ここで名誉会長の導師で唱題を行った〉
 長時間、本当にご苦労さまでした。いい1年間でありますように!
 勝利の年に! きょうは、本当にありがとう!

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