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日蓮大聖人・池田大作

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第6回創価中学・創価高等学校入学式 知を愛する精神強く

1973.4.7 「池田大作講演集」第5巻

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6  愛知の精神でいこう
 最後に、第五は「愛知の精神でいこう」すなわち「知を愛する精神でいこう」ということであります。
 ある学者はこういっております。
 「学問は社会のためにするものとも、自由に考えることができました。大哲学者スピノザなどは、その実例に当たります。彼は職業としてはレンズの球磨きを選び、自分の知的満足を求めるために哲学を勉強し、非常に大きな財産を人類のために残しています。(中略)自分の楽しみを持たない学問は、どこかで行き止まりになってしまいます」(戒能通孝著「いかに生き、いかに学か」)と。
 学問における自分の楽しみというものは、忍耐強い努力のなかから味わうわけで、なかなか大変なことでもありますが「知ることを愛する」、その気持ちさえあれば、必ず楽しみはわくものであると申し上げておきたい。成績のよしあしを越えて、まず、この楽しみをつかみ取ろう、こう決意していただきたいのであります。
 小学校で習った勉強は、これは本当をいえば、基礎知識にすぎないのであります。山登りに備えて、トレーニングに励んだ段階である。そして、中学・高校から、はじめて、いよいよ学問らしい学問が始まるのであります。つまり、自然科学、人文科学、哲学という巨峰に対して、いよいよ”山登り”が始まったわけなのであります。
 これは、生涯かけての「大登山」でありまして、男子の本懐であります。一通りの線までは、自然科学の分野では三十台で到達し、人文科学の分野では五十台で達する、などといわれておりますが。要は、四十台を超えてから役に立つように、学問を身につけた人が成功なのであります。どうか、そういうつもりで勉強にいそしんでください。
 学問というものは、なかなか峻厳なものであり、文字と道理をとおして、全人類、全自然、全宇宙と対話をしていく仕事でもあります。短期を起こしてしまえば、学問にならなくなってしまう。根気が学問をもたらすのであります。こういう「知を愛する」の精神を基とし、この学園の生活を通じて、諸君の人間としての「ひとり立ちへの鍛練」が始まるということであります。皆さん、どうか本日より、自分の立派な栄光の歴史を書きつづっていってください。
 以上、五項目を申し上げまして、栄えある入学への祝辞とさせていただきます。本当におめでとうございました。(拍手)

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