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日蓮大聖人・池田大作

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第21回女子部総会 生涯、笑顔で輝く未来を展望

1973.3.11 「池田大作講演集」第5巻

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6  長く広い“展望”で人生の基礎固め
 第五は「展望」であります。聖人は三世を知り十方に通じ、最高の展望力をもっておられる。
 女性には“極めつけ”グセがあるといわれます。“極めつけ”とは何か。横の一方から見て、それで事たれりとして、上から、下から、正面から、相手の立場から、と多角的、相補的に見るところまで、手続きを進めない。木を見て森を見ないたぐいであって、展望が悪いのであります。そして物事を間違って見てしまう。展望せずして瞬間的判断のみですと、流行と俗論に迷います。結局、人まね競争に堕して、独立人格の主体性はどこへやら、自ら女性視の促進に励んでいることにほかなりません。世間一般では、こうした傾向が強い。
 たとえば結婚の破局に泣く女性が多い。それは選択眼がなかったからともいえるし、毎日の相克や争いの原因、およびその解決法を展望できなかったからともいえる。
 展望は、人間活動の全領域を一つの体系として構成的にとらえることが大事です。婦人部の方ですと、公私ともに“いまここで役立つ能力”が要求されます。ところが、女子部の皆さんは、“やがてどこででも役立つ能力”の涵養のほうが、現在は大事なのであります。
 そう展望すれば、人をうらやむ気など起こりません。むしろ若い身空でチヤホヤされている特殊な有名人たちが、先行きどうなることかと気の毒に思えてくる。これが展望というものであります。
 人生の連帯性を展望すれば、自分一人がぬけがけ的に幸せになろうとしても、無理であることがわかって、逆境にもくじけずにすむ。すると本因の姿勢と、指導を求める気持ちが定着します。更にすべてが因果律のとおりに、誤らずに展望できすま。
 皆さんは、平均して二十代だと思います。するとあと五十年以上の人生が待っている。広宣流布という尊い使命を担った長い旅路です。一人ひとりがいつかは母となり、祖母となり、家庭を健全に築いて、娘や孫へ手本を示していかなければならない。また立派な女子部を築いて、妹ともいうべき後輩たちへ伝えていく使命がある。正しく長く広い展望をえれば、しぜんに責任感がわき、喜びも希望もわいてくるのであります。
 いまは“モーレツ時代”といわれ、万葉のおおらかさを失って、小細工が多い時代です。文明悪から解放が叫ばれ、男性文化と女性文化が錯雑した風潮のなかにある。欧米もそのようです。だが、あと五十年の長い人生が、このままの状況の連続とは思えません。
 いや、だからこそ、貴重なわが五十年をかけて私たちが変えるのです。そこにこそ我々の晴れの舞台がある。洋の東西を展望し、歌声も高らかに、気高く、はつらつと、わが女子部の力を示していこうではありませんか。(大拍手)
 皆さんの健康を心からお祈りしつつ、最後に、女子部の全員に代わって、ご多忙のところわざわざご出席くださいましたご来賓の皆さまに心から厚くお礼申し上げまして、私の話を終わります。(拍手)

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