Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第1回高等部総会 広布への決意で豊かな独創性を

1968.8.8 「池田大作講演集」第1巻

前後
5  第四に『十代に身体を鍛えあげること』
 大聖人も可延定業書という有名な御書のなかで「日輪のごとくなる智者なれども夭死あれば生犬に劣る」と厳しく申されております。
 また四条金吾殿御返事には「きたはぬ・かねは・さかんなる火に入るればけ候、冰をに入るがごとし、剣なんどは大火に入るれども暫くはとけず是きたへる故なり」と。
 更に崇峻天皇御書には「蔵の財よりも身の財すぐれたり身の財より心の財第一なり」との有名な御文があります。
 十代は、身体が最も急速に成長する時期であります。十代を過ぎて二十代に入ると、やがて成長が止まり、身体が固まってしまう。鉄は熱いうちに鍛えなくてはなりません。その″熱い″時期が、十代の諸君の時代であります。健康で、たくましい身体は、人生において最大の財産であります。四十代、五十代になったとき、そのありがたみが、心からわかってくると思う。勉学に励むと同時に、しっかり身体を鍛え、色心ともに健全で、力強い人材に育ってほしいというのが、私の最大の念願なのであります。
 将来、諸君が独創的才能をもち、無限の英知をもっことができたとしても、身体が健康でなかったならば、その人生は無に帰してしまいます。未来のどんな苦難にも耐えうる、深夜にわたる大闘争であろうが、幾十時間の理論闘争であろうが、怒涛を越え山をも抜くだけの身体を鍛えてもらいたいのです。
 それには、十代の成育期を除いては、最適期はありません。どうか、身体を頑健にするために、あらゆる方法を考え、実践していただきたい。
6  第五に『まず一か国の外国語に習熟すること』
 檀越某御返事には「みやづか仕官いを法華経とをぼしめせ、「一切世間の治生産業は皆実相と相違背いはいせず」とは此れなり」とあります。
 また、曾谷入道等許御書には「此の大法を弘通せしむるの法には必ず一代の聖教を安置し八宗の章疏しょうじょを習学すべし」と。
 更に、有名な顕仏未来記には「月は西より出でて東を照し日は東より出でて西を照す仏法も又以て是くの如し正像には西より東に向い末法には東より西に往く(中略)」と。
 学生にとって「御みやづかい」とは勉学のことであります。また「八宗の章疏を習学すべし」とは、化儀の広宣流布にあたって、あらゆる学問を身につけ、その学問を駆使して、万人を納得させていく大きい指導力がなくてはならないとの仰せなのであります。
 まして、我々の究極の目標は、世界の広宣流布であります。その大理想達成のため、また、世界民族主義という理念のうえからいっても、外国語に習熟することは、新しい時代の新しい指導者として、必須の条件といっても過言ではない、こう訴えたいのであります。
 その第一段階として、高等部員全員が、英語でもよし、フランス語、スペイン語、中国語、ロシア語でもよし、まずなにか一か国語を、習熟することを目指していただきたい。このことを私は提案したいと思いますが、いかがでしょうか。(大拍手)
 なお、誤解を防ぐ意味で一つ付言しておきますが、全員が通訳になるわけではないのですから、ただ、読み、書き、話すことが、平均して日常の役に立ちうる程度にまではなっていただきたい。
 諸君の活躍する舞台は、やがて世界的な規模のものになっていくでしょう。近年、交通機関やマスコミの発達で、地球は一年ごとに狭くなってきている。これに対し、生きた語学を身につけなければ、せっかく広い舞台で乱舞できるものを、自ら権利を放棄して、その舞台を狭いものにしてしまうようなものであります。
 以上、五つの指針は、学生として、生活実践の場にあてはめればよいのであり、要約するならば、学問、信心、スポーツということになると思います。
 ともあれ、我が高等部は、創価学会の実質的な後継者であります。諸君が成長することが、私の最大の喜びであり、希望であり、幸せであります。諸君へのバトンタッチのために、私は今までも苦難の道を開拓してきました。これからも、更に勇敢に開拓していくでありましょう。願わくは諸君が広宣流布の総仕上げを成し、学会の後継者として立派に活躍されんことを、心からお願いしたいのであります。
 高等部の未来が、栄冠に輝き渡っていくことを祈りつつ、私の話を終わります。(大拍手)

1
5