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日蓮大聖人・池田大作

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2 人間教育のあり方  

「健康と人生」ルネ・シマー/ギー・ブルジョ(池田大作全集第107巻)

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7  すべての人にそなわる「仏知見」
 池田 感銘しました。みごとな“教育”のドラマです。
 博士は、学生との共同作業で、豊かな才能の可能性を開発されています。「連帯・交流型の教育」のみごとな姿です。
 牧口会長は、こう述べています。
 「教育は、最優最良の人材にあらざれば成功することの出来ぬ人生最高至難の技術であり、芸術である。是は、世上の何物にも代え難き生命という無上宝珠を対象とするに基づく」(『創価教育学体系』下、『牧口常三郎全集』第六巻)と。
 シマー 牧口会長は、勇気をもって、真の教育者のあるべき姿を示しておられます。良質の教育機関には、こういう判断を下せる教師がいるものです。
 このような教師の教育方針が、首尾一貫したカリキュラムに反映され、さらに学校・大学の特色になっていたら、さぞかしすばらしいでしょう。
 池田 現在では、日本から遠く離れたブラジルでも、牧口会長の教育学説を理解し、実践している学校が生まれています。これからも、ふえていくことを期待しています。
 ところで、今、紹介しました牧口会長の言葉に「無上宝珠」とありました。これは法華経に基づいています。
 法華経では、「仏知見」すなわち“仏の慈悲に満ちた智慧”を、“無上の宝玉”と表現しているのです。
 法華経は、この仏知見が、すべての人にそなわっていることを明かしました。そして、この智慧を開き、示し、悟らせ、この智慧に基づく生き方に入らせる(開示悟入の四仏知見)――これこそ、釈尊が生涯を懸けて教えようとしたこと(出世の本懐)であると説いています。
 人間生命に本来そなわる無限の尊厳性の覚知――これが、生老病死の「四苦」を乗り越える法を探求した釈尊の結論だったのです。このことを教えた釈尊は、「天人師」(神々と人間の教師)と呼ばれます。
 牧口会長は、この開示悟入の法理に注目し、メモに書き留めています。
 シマー 牧口会長は、本当にすぐれた教育者ですね。
 学生はすぐれた教員との関係性のなかで、初志を貫徹することを具体的に学び、また倫理と責任の意味を学びとっていくことができます。
 明日を担う優秀な科学研究者や専門家たちは、好奇心に富み、才能に恵まれて、刻苦勉励している学生のなかから輩出するものです。

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