Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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世界の識者との対談の思い出 「今」の行動が未来を開く

2007.3.15 随筆 人間世紀の光4(池田大作全集第138巻)

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14  トインビー博士は、雄々しき勇者の魂光る英雄であられた。
 正義と邪悪が戦う時に、中立を装い傍観することは、結局、悪に味方することだと喝破されていた。
 ご自身も、いかなる圧迫や中傷にも怯まず、常に正義の信念を言明してこられた。
 だからこそ、難を受けながら戦い抜いてきた創価の三代への信頼は、絶対であった。
 博士は、古代ギリシャの哲人へラクレイトスの至言「戦いは万物を生む父親である」(『ヘラクレイトスの言葉』田中美知太郎訳、『世界人生論全集』1所収、筑摩書房)を、よく引かれた。
 そして、厳しい競り合いのなかでこそ、理想を実現する力が鍛えられ、真の価値が創造されると達見しておられたのである。
 トインビー博士とは、世界の文学も縦横に語り合った。
 博士も高く評価されていた、ロシアの大文豪ツルゲーネフは高らかに謳った。
 「新鮮な春の息吹きにつつまれて、胸がどんなにのびのびと呼吸することだろう、手足がどんなに軽快に動くことだろう、全身にどんなに力がわいてくることだろう!」(『猟人日記』下、佐々木彰訳、岩波書店)
 人生は、行動した人が勝ちだ。対話した人が勝ちだ。
 「さあ、今日も、共に語りましょう! 人類のために! 未来のために!」
 あの日あの時、トインビー博士が青年のごとく言われた言葉である。

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