Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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大九州の誉れの使命  

2004.2.28 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

前後
5  この直前に私が訪れていた中国は、内戦の如き「文化大革命」は終結しても、なお、その余塵が漂っていた。私は、各界の要人と語り合ったが、ひときわ印象深かったのは、人民の言葉の端々から感じる、革命の理想と人民を守り抜こうと命がけで戦った周恩来総理への敬愛の深さであった。
 また、「文革」で国家を撹乱した「四人組」が何をやってきたのか、その残酷な所業も、人びとの口振りに見え隠れしていた。
 なかでも、私の心に焼き付いたことは、「四人組」を打倒したのが「人民の怒り」であったという事実だ。
 周総理の逝去(一九七六年一月)から三カ月後の四月、「清明節」(死者を悼む伝統の日)が来た。総理を追悼する声は全国に高まり、北京の天安門広場を埋めた人びとは延べ二百万人に達した。
 だが、「四人組」は追悼をことごとく邪魔した。人民が広場に置いた花輪も、総理の遺影も、夜間にすべて撤去された。さらに、この暴挙に抗議した人びとを暴力で弾圧までしたのだ。人民の怒りは爆発した。
 卑劣な権力者よ、お前たちに総理と我らを引き離すことは絶対にできない! 総理への哀悼の花輪は、我らの心の中にあるのだ!
 「四人組」への広範な大反撃が始まった。そして、その半年後、彼らは遂に打倒されたのである。
 まさに、誰よりも人民を愛した周総理が、死して後も、人民と共に戦い、私利私欲の悪党どもを倒したのだ!
 私も広布のため、同志のために身命を捧げてきた。同志もまた、必死の奮闘で応えてくださった。卑劣な謀略も、この師弟の絆を切ることは、絶対にできなかった。
 民衆のなかへ先駆せよ!
 民衆のなかで正義を叫び、邪悪を追撃しきっていけ!
 周総理は、なかんずく青年に強く教えられた。
 「青年諸君が分散して大衆のなかへはいり、全国の津々浦々にひろがってゆくなら、われわれの力は無敵である」(中共中央文献編集委員会編『周恩来選集〈一九二六年〜一九四九年〉』日本語版《周恩来選集》翻訳室訳、外交出版社)
 その通りだ。
 民衆第一! ここに徹した行動が、正義なのだ。真実なのだ。仏法なのだ。
 創価の偉大な歴史も、同じ方程式をとっている。だから、学会は断固として勝ってきたのである。
6  あるシェークスピア劇に登場する王は、勝利に終わった一戦の最後に語った。
 「さいわい今日の戦いは上々の首尾であった、この上は手をゆるめてはなるまいぞ、完全な勝利を見るまでは」(『ヘンリー四世 第一部』小田島雄志訳、『シェイクスピア全集』5所収、白水社)
 今、全九州の同志は、創価の完勝へ先陣を切った。
 今月は若々しき十万の壮年勇者が大結集した。三月には、意気高く九州総会が行われる。
 さらに嬉しきことに、明二〇〇五年、大分に完成する九州の記念墓地公園に、「世界広布先駆の碑」が設置される。(=九州池田記念墓地公園として二〇〇五年七月に開園)
 永遠に新しき出発をするための、そして同志たちのための記念碑である。
 偉大な敬愛する九州の同志たちよ! 我らの記念碑に、圧倒的な先駆と勝利の輝く歴史を刻んでくれ給え!
 先駆の尊き九州の友よ、立ち上がれ!
 真剣な九州の先駆の友よ、いついつまでも健康で、朗らかであってくれ給え!
 懐かしき九州のいつも元気な友よ、どうか日本一仲良く、「気取らない」「誠実である」「真剣である」「必ずやりきる」という伝統を、日本中の同志のために貫いていただきたいのだ。
 中国の英雄・魯迅先生の、悪と戦う魂は激しかった。
 ――人生は闘争! 闘争は正しいのだ!
 大九州の友よ、負けるな!

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