Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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永遠なる二月の闘争  

2004.2.20 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

前後
5  嵐の一九七七年(昭和五十四年)。二月十一日を、私はインドで迎えた。
 この日、マハトマ・ガンジーの高弟ナラヤン氏にお招きいただき、私はガンジス河畔の街パトナに向かった。
 「人間革命を通しての社会革命こそ変革の正道である」――氏と私は、完璧に一致した。七十六歳。師ガンジーと出会って以来、幾たびの投獄にも怯まず、民衆のために戦い続けた偉人である。牢獄をもってしても真実は曲げられない。邪悪な虚言の中傷などで正義が消せるはずがない。真の勇者には、迫害こそ最大の誉れだ。
 私は、ナラヤン氏の家を辞すと、夕闇迫るガンジス川の岸辺に足を運んだ。悠久なる流れに、黄金の残照が静かに光を落としていた。西に没する太陽と入れ替わり、東の空から皓々たる満月が昇ってきた。
 「ああ、戸田先生が見守ってくださっている」
 「月氏の国」の大空を照らす大月天に、アジアの民衆の幸を願われた師が偲ばれた。
 蓮祖は、峻厳に、師弟の道、弟子の道を教えられた。
 「よき弟子をもつときんば師弟・仏果にいたり・あしき弟子をたくはひぬれば師弟・地獄にをつといへり、師弟相違せばなに事も成べからず
 師弟は不二である。弟子の勝利が、師匠の勝利だ。
 ゆえに私は、「広宣流布」即「世界平和」の熾烈な戦いにあって、常に最高の拡大と最高の勝利を自らに課した。弟子の栄光は師に還り、師の偉大さの証明になるからだ。
 私は、第三代会長に就任して直ちに、戸田先生の『巻頭言集』と『方便品寿量品講義』の英訳出版を進めた。
 恩師の平和哲学を継承しゆく「戸田記念国際平和研究所」を発足させたのは、一九九六年(平成八年)の二月十一日であった。二月十一日といえば、ブラジルのリオデジャネイロ連邦大学、またフィリピンのマニラ市立大学、さらに韓国の東亜大学からも、この生誕日に、私は名誉博士号をお受けし、師に捧げた。
 世界の大学・学術機関からの名誉称号は、百五十を数えるに至った。
 すべてこれ、「戸田大学」の卒業生としての不滅の″知の栄冠″である。
6  英国の哲学者ラッセルは、現代の民主社会にあって、他人を羨むねたみが大きな役割を演じ、あたかも必要悪になっている現実を直視しつつ、その変革を願って言った。
 「ねたみのような悪しきものからよい結果が生まれる、とは考えられない。(中略)現代の社会組織を根本的に改革し、社会正義を大幅に増やしたいと思う人びとは、ねたみ以外の力がその改革をもたらすのに貢献するように希望しなければならない」(『幸福論』安藤貞雄訳、岩波文庫)
 今の世を見ても、その通りではないか。卑しい嫉妬になど、断じて負けてはならない。
 「創価の正義の大行進には、連帯していく以外にない」と言わしめる、偉大な仏菩薩の力を発揮し抜くことだ。
 日蓮大聖人は、「開目」――″目を開く″と仰せである。
 我らは「知の目」を開く。「心の目」を開く。「社会への目」を開く。「安国の目」を開く。そして「仏の目」を開きゆくのだ。
 広宣流布に生き抜く師弟の戦いは、宝の一生である。そして「二月の闘争」こそは、永遠の闘争の象徴である。
 戸田先生は、「地涌の菩薩の我々は、断固として戦うのだ! 勝つのだ!」と常に叫ばれた。
 広宣流布を築きゆく偉大なるわが友よ、戦おうではないか! 勇敢に堂々と面白く、そして厳然たる勝利を確信しながら!

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