Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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小説「人間革命」3-4巻 (池田大作全集第145巻)
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戸田城聖は、「末法濁悪」の実態を、まざまざと凝視していたが、そのような社会の激動に関して、極めて寡黙ですらあった。彼は、時代の底流に渦巻く要因を、見抜けなかったわけではない。沈黙を守っていたのである。
戸田のもとに、弟子たちは、目にする数々の世相をあげては、憤激することがあった。その時に、彼は、決まって沈着に答えた
「だから、広宣流布の時が来ているというのです。
今のところは、やらせておけばいいではないか。ただ、彼らがどうやろうと、行き詰まるだけだよ。この時代に、いかに根本的に救済していけるかは、われわれだけが知っているのだ。今のうちに、せいぜい、あらゆることを勉強しておくことだよ。、どうせ忙しくなるんだから」
戸田は、笑いに紛らわして、政治談議をすることは少なかった。
彼は、胸中に、広宣流布の伸展につれて、やがて学会が社会をリードしていく時が、必ず到来することを確信していた。彼の今の実践は、その基盤を、一歩一歩、確実に、つくっていることにほかならなかった。
彼は、野に伏し、山に伏しながら、新しい時代の到来を信じて、未来に羽ばたく愛すべき庶民を、わが弟子として、つくりつつあったのである。
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