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日蓮大聖人・池田大作

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不二の旅立ち「8.24」(1) 大難の嵐を越え 正義の五十五星霜

2002.8.24 随筆 新・人間革命5 (池田大作全集第133巻)

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4  入会から一年余の九月。
 侘しく粗末な西神田の学会本部では、戸田先生の法華経の講義があった。
 受講生となった私は、大田の職場より、その講義に馳せ参じた。
 疲れきった我が身を励ましながら、青年らしく求道の道を走った。どんなに多忙でも、必ず講義に出席した。
 法華経の文底の法門が難解であったことは否めないが、戸田先生の確信ある甚深無量の仏法の講義には身震いし、感動を覚えた。
 人はどうあれ、社会はどうあれ、自身の正しき信念に生きゆくことは、最高に尊い。
 ますます荒れ狂い、不透明な未来に向かって、人生の深き意義を覚知し、平和と繁栄のために、自身の使命と責務を果たしゆく原動力たる信仰を持つことは、なんと偉大なことか。
 現実の歴史にあって、それぞれの時代、それぞれの世界も、その時の高次元の宗教によって文明が開花し、平和が創造されたことは、事実である。その方程式は普遍だ。
 三十年前(一九七二年)、トインビー博士は、私との対談で言われた。
 「未来の宗教は、『人類の生存を深刻に脅かす諸悪』と対決し、諸悪を克服する力を人類に与えるものでなくてはならない」
 まったく、その通りだ。
 そして、「だからこそ、その宗教を実践する、あなたに会いたかった」との博士の言葉は、私の胸中に響いて離れない。

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