Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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欧州広布の原点・デンマーク 麗しき天地を照らせ 人間革命の光

2001.10.30 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

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4  四十年前(一九六一年)、私は、コぺンハーゲンの街で、著名な”人魚姫の像”を見た。
 それは、アンデルセンのロマンの名作「人魚姫」がもとになったものであるが、彼の童話の一つに「銀貨」という物語がある。(以下、『完訳 アンデルセン童話集』6〈大畑末吉訳、岩波文庫〉から引用・参照)
 良質の銀で造られた一枚の銀貨が、外国で「にせもの」呼ばわりされ、辛酸をなめる有名な話だ。
 「にせものだ! 通用しないよ」
 冷たい非難が銀貨を襲う。この銀貨でパンを買おうとした貧しい女性は、顔めがけて投げ返される。穴を開けられ、酸に浸して緑色にされもした。誰も本物だと信じてくれない。銀貨の辛い一年が過ぎた。
 そんなある日、旅行者が、銀貨を手にする。初め、にせものを掴まされたと思ったが、よくよく見ると、わが祖国のお金ではないか。
 この土地で初めて、自分に向けられる笑顔を見て、銀貨も喜んだ。やがて無事に祖国に帰ることができた……。
 銀貨は最後に言う。
 「にせもの扱いされて、からだに穴をあけられたことも、今では少しも苦になりません。自分がにせものでなければ、そんなことは、なんでもありません。何事も忍耐がたいせつです」
 日蓮大聖人も仰せである。
 「石はやけばはいとなる金は・やけば真金となる
 試練に負けるな! 本物であれば恐れることはない! 本物であれば、いかなる障害も必ず乗り越えられる!
 ともあれ、真実の自分自身を、真剣に発揮させ、人間として光り輝いていく幸福の大道が、「人間革命」である。
 「欧州広布の原点」デンマークでも、本年、三回の入会の儀式が行われ、多くの新しき「人間革命」の、無名にして偉大なる英雄たちが誕生した。
 仏法の人間主義は今、人類平等の宝として、その真価の大光を放ちながら、世界百七十七カ国・地域までも広がったのである。
 誰人が想像したことか。
 ある著名な学者は、「人類の平和と文化に貢献した偉大な団体として、必ず、長く深く歴史に名を留めることは間違いないだろう」と。
 さあ、さらに強く、そして高らかに、「平和」と「人道」の世紀の鐘を鳴らそう!
 これ、世界広宣流布の”第二章”の大曲である。

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