Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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「ナポレオン展」を見て 「精神の皇帝」の戦い続ける生命

1999.5.26 随筆 新・人間革命2 (池田大作全集第130巻)

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8  「現在はつらい過渡期にすぎない。何が勝ち誇るべきであるか? 未来が勝ち誇るべきではないか?」(前掲『ナポレオン言行録』)
 ナポレオンにとって、「未来」とは、知性であり、産業であり、平和であった。
 その「未来」が、暴力・特権・無知という「過去」に勝ち誇る明日を、彼は見つめていた。戦争は「時代錯誤」だと見抜いてさえいたのである。
 「剣」に対する「精神」の勝利――歴史の水底の流れは、彼の志向の正しさを証明しているといってよい。
 「前進!」
 ナポレオンは、そう叫んで、世紀から世紀を駆けた。
 彼が未来の空に馳せた夢は、「平和と文化の二十一世紀」へひた走る、我らの「前進」への励ましではあるまいか。
 ――私は、心満たされた思いで美術館を後にした。

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