Nichiren・Ikeda
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人生に定年はない
「第三の人生を語る」(池田大作全集第61巻)
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4 「私の学問の整理が可能になった」
松岡 第一回の対談終了後、トインビー博士が、先生に感慨こめて話されていました。
「あなたとお話をすると、私は、啓発され、感動する。本当の問題点を論じあえる人間と、このように率直に語れることは最高に価値あることで、学者としてこれ以上の喜びはない。あなたの話は、人間の生命に関する重大なことであり、しかも観念論ではなく、すでに現実の諸問題をいかに解決しようかと、肉薄する熱い心に満たされている。私はあなたとの対談で、私の学問の整理が可能になった」
佐々木 一年ぶりに再開された初日には、「高齢化の問題を抜本的に解決することが火急の要件」というテーマでも話しあわれましたね。
池田 話しあいました。博士は、「イギリスでは、私自身も含めて、すべての老人が毎週、国から年金を受け取っており、老人ホームもあります。実際に、私の妻の妹は公営の老人ホームに住んでいます」と言われながらも、三世代家族(祖父母、両親、子どもが一緒に生活する大家族)の必要性を力説され、そのためには都市の住宅問題を解決しなければならないと主張されていました。
また、「肉体の死」と「精神の死」を鋭く見つめながら、「脳死」や「延命医療」などの今目的な課題にも思いをめぐらせておられた。
こんな問題も考えていきましょう。
松岡 お願いします。
池田 トインビー博士といい、レオナルド・ダ・ヴィンチといい、人生の充実と探求、課題への挑戦には定年などありえないことを、教えています。