Nichiren・Ikeda
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昭和三十五年(一月)
「若き日の日記・下」(池田大作全集第37巻)
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29 一月三十日(土) 快晴
午前、午後にわたり、本部の幹部と打ち合わせ。
指導、教示、叱咤、激励。多忙なり。
東京四時三十五分発の電車にて、熱海へ。父の招待。
妻、城久の三人にて。
D荘より自宅がいいと、子供はいう。
あくる朝、熱海域へ。実に面白くなし。
四等国の遊園地かと、いえる人あり。
身体の調子悪く、自宅まで車で。
途中、吐き気あり。子供も。
六時少々前、帰宅。すぐ横になる。
運動をせねば。少々読書。
『平家物語』‥‥
平家の滅亡は悲劇であった。その根本原因はいずこにありや。深く分析、思考する要あるなり。逆境にある人生に、美しく、端然たる人あり。その名、薩摩守忠度、その人か。平家一門のなかに、冴え映える青年将軍よ。詩人将軍よ。激動と逆濤にありて、われもかくありたし。
戦死、覚悟の詩人と、俊成卿との会見。一幅の生ける絵のごとし。生ける人生劇場の縮図にやあるらん。悠々たる作詩。優遊たる心境。その出陣に見る毅然たる態度。和歌それ自身の姿。われ感動あり。