Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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自立した主婦像を目指して  

「婦人抄」「創造家族」「生活の花束」(池田大作全集第20巻)

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5  開かれた社会へ
 仕事に対しても、たんに家計の足しにするという考えであっては、悪循環に陥るのみである。私は「稼ぐ」という言葉はきらいである。仕事をとおして自己を向上させ、なんらかの貢献を社会に果たしている実感をもっていただきたいのである。
 それは仕事の性質だけではない。仕事に対する姿勢も含まれるのである。その人の存在が人びとの心に希望の灯をともさせるようであれば、それだけでどれほどの価値を生んでいることか。
 まして、職場にあって、少しでも社会に貢献していることを実感しつつ、またそれを念頭におきつつ取り組んでいくならば、そのことがやがては女性の真実の解放につながることを私は信じている。
 働く女性がめざめて自我を拡大していくならば、たんに女性の問題だけではなく、それ自体、大衆の大きなレベルアップとなることは疑いない。ある意味では、女性が職をもつということは、男性以上に人間形成に革命をもたらすといえよう。大変だ、というのでなく、絶好の機会だととらえてほしいのである。
 閉じられた社会に引きこもるのでなく、大きく外界に飛躍する女性群像が見られるとき、おのずから家庭における教育の質の転換が行われるであろう。夫と子供しか念頭になく、教育も知識偏重の教育ママがハバをきかす現状は、子供のためにもよくないと私は思っている。
 社会とのつながりをもち、目を世界に向け、人生の根源に向けながら、現実生活の労務を賢明に作業していく女性が社会を構成していくならば、素晴らしい時代が開かれていくにちがいない。このような親に育てられる子供たちの未来を想像し、社会を予想しただけで、私の胸はふくらんでくるのである。

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