Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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「生命の発生」をめぐって  

「第三の虹の橋」アナトーリ・A・ログノフ(池田大作全集第7巻)

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9  ここで次のような疑問が起こります。それは原生物が選んだのがこれらの型で、別の型でないのはなぜかという疑問です。多分、これはたんなる偶然でしょう。ですから、もし逆のことが起こったとしても、現実と変わったことは何も起こらなかったはずです。というのは、自動車の運行がある国では右側通行であり、別の国では左側通行だからといって進行そのものは変わらないのと同じ理屈です。
 遺伝暗号伝達の問題は最終的にはアダプターの問題に帰着します。生命存在の歴史において、タンパク質がDNAから直接生成されたことがあったか、それともトランスファー(伝令)RNAアダプターが原初だったのかとの問いに対して私の答えは次のようなものになるでしょう。立体化学的考察でいきますと、第一の仮説はあまり信憑性がありません。この分野の研究ではわずかな進歩しか見られないことも認めざるを得ません。
 「生命がまれにしか見られない存在形態として発生したのはなぜか」という疑問についていえば、私の考えでは、こうした設問自体、私たちが太陽系以外の他の天体系の確実な数量を統計学的に調査し終わるまでは正しいと見ることができません。そうした調査研究が完成した時、初めて、このような存在形態はまれなのかどうかを確認することができ、またその原因について考察することができるでしょう。いずれにせよ、生命発生の最初の段階はオパーリンの学説=「化学進化論」に従ってかなり高い確率で実現しつつあると思います。

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