Nichiren・Ikeda
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成績を上げる法
自分を信じよ! あきらめるな
「青春対話」(池田大作全集第64巻)
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31 「わからない」ことは恥ではない
池田 子どもは「変わる」ものです。はっとするくらい「変わる」ものです。変わる「力」を秘めているのです。だから絶対、今の姿だけで決めつけてはいけない。
島秋人という歌人がいました。彼は死刑囚だった。子どものころから「手がつけられないワル」で、ある時、盗みに入った家で、家の婦人に見つかり、もみ合っているうちに殺してしまった。
若くして死刑を待つばかりだった彼は、牢獄の中で自分の人生を振り返り、たった一回だけ、ほめられたことを思い出した。図画の時間に、教師から「絵はうまくないが、構図がいい」と、ほめられた。その一言が、闇に住む彼にとって″光″となったのです。
その教師に連絡をとった彼は、教師の夫人の影響で短歌を始めます。彼は心の苦しみを表現する手段をもったのです。そして、みるみる才能を発揮して、新聞の歌壇にも入選を繰り返し、すばらしい歌集まで出した。人間的な成長は、めざましく、「まったくの別人」となったのです。彼を支えたのは、教師の一言だったのです。(島秋人『遺愛集』東京美術、参照)
社会科教諭 重大な責任を感じます。
池田 ともかく、最初に言ったように、勉強の目的は、大きな深い心をもった「魅力ある人間」になることです。「光っている人間」に。だから、テストの点が少々、良かろうが悪かろうが、からっとして、「自分は、やるだけのことはやったんだ!」と、また朗らかに努力していけばいい。
「わからない」ことは恥ずかしくない。「あきらめる」ことが恥ずかしいのです。
笑うことです。笑ったほうが血行も良くなり、頭もよく働く。
そうやって、悠々と努力する「くせ」をつけた人は、将来、何だって乗り越えられる。その「くせ」こそが、最高の「財産」です。だから、今、「目の前の課題に勝て!」「何かを始めよ!」と訴えたいのです。