Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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ベルビツカヤ総長 「英雄都市」の不屈の学府サンクトペテルプルク大学

随筆 世界交友録Ⅲ(池田大作全集第124巻)

前後
8  四十六年ぶりに「父の墓」へと
 一九九六年、長く不明だったお父さんの埋葬地がわかった。あるジャーナリストの調査のおかげだった
 モスクワのドンスコイ墓地に、総長は詣でた。死後、四十六年がたつていた。
 幼かった自分が、もう、とうにお父さんの年齢を超えてしまった。あれほど夫の帰りを待ち続けていたお母さんも亡くなっていた。
 総長は、身をかがめて、墓地の土を少しだけ取った。袋に入れた。
 その袋を抱きしめて、お母さんのお墓へと運んでいった。墓の土に、袋の土を混ぜた。
 ゆっくりと、ていねいに混ぜた。
 「やっと、やっと、お父さんに会えましたね。あ母さん!……」
9  ぎしぎしと骨がきしむような苦しみに耐えてきた”二十世紀のロシア”の人々。
 ”二十世紀のロシア”は、その分、きっと明るいにちがいない。
 「ロシアには『人間』がいる! だから、ロシアには未来がある!」(Н.А. Некрасов, Собрание сочинений, Т.1, Художественная литература)
 そう叫んだ詩人ネクラーソフも「サンクトぺク大学」で学んだ人であった。

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