Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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夏季講習会、高等部・中等部・少年部合同… 鳳雛よ君らこそ学会の跡継ぎ

1966.8.11 「池田大作全集」第3巻

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9  七、次に申し上げたいことは、日本の王仏冥合は、着実に進んでいます。衆院選も間近だし、やがて公明党が名実ともに第三政党になる日も近いでしょう。しかし、世界公布という道程は、まだまだ長いし、幾多の難関を越えなければならない。諸君の活躍の舞台は、大きいし、広い。しかも、日本も、世界も、いつ、第三次世界大戦が起こらないともかぎらない。非常に危険な時代であります。誰人も第三次世界大戦が起こらないと保証できないのです。
 では、どうすればよいか。全世界の指導者たちは、すべて困りはてています。解決の方法がわからないので暗中模索しているのが現状であります。今度、核爆弾が使われるようなことがあったなら、すべて吹き飛んでしまう人類の滅亡です。これだけは、絶対に防がなくてはならない。これを回避する道は、ただ一つ立正安国の理念、すなわち、絶対平和主義の思想をもった、日蓮大聖人の色心不二の哲学の力による以外に絶対にないのです。たとえ、他の法方で一時的に平和が訪れたとしても、それは恒久平和ではなく極めて不安定な均衡を保っているにすぎないのであります。
 広宣流布は御仏智です。しかし、諸君は、私ども以上に未来に生きなくてはならない。そのためにも、この大聖人の仏法によってのみ、日本の国の安泰はもちろん、世界の広宣流布、すなわち、恒久平和ができるのだということを胸に深く刻んで成長してください。(拍手)私は布石はしておきます。そしてその土台の上に諸君が世界平和を築く以外に、誰人も築けません。そこでまず、日本の安泰はつくっておきます。あとは諸君に託すからよろしくお願いします。(拍手)
 世界の国々は、学会が政治活動をするのではないかと恐れています。毎月毎月、学会員が、どんどんふえますし、日本に公明党がありますので、どこの国でも創価学会といえば、その国の政治に関係していくように考えてしまうのでしょうが、しかし、それは決して学会の行き方ではありません。政界へ出るのは、日本の国だけです。外国においては、政治活動はいたしません。あくまでも仏法の実践であり、一人一人の信心確立による幸福生活実現だけです。なぜなら、日本は邪智謗法の国であり、世界の国々は、仏法を全く知らない無智の国ですから折伏のうえの摂受でいくのです。したがって外国では、政治活動は絶対にしません。
 世界中の人が正しい仏法を持って仲良くなり、みんなが集まって「戦争をやめよう」「インドは食料不足だ、各国から応援しよう」等々、そうなれば世界は、恒久平和になるではありませんか。(拍手)私は、いまその布石をしているのです。そのときに、ヒノキ舞台で活躍するのは諸君です。したがって、諸君は、決してあせってはいけない。あせる必要もない。いまは、思う存分勉強しなさい。もしか諸君を苦しめるような者がいれば、私をはじめ理事室が総決起して打ち破っていきますから、安心して自己を磨いていきなさい。
10  八、最後に申し上げたいことは、明治十年、かの有名な西南の役のときに“右手に血刀、左手に手綱、馬上ゆたかな美少年”で知られる、かの西郷南州の私学校の少年のことです。彼らはもとより、低い主義主張、思想しかなく、そしてまた、はかない運命でしたが、最後まで戦いきった少年たちでした。あれは“右手に血刀、左手に手綱、馬上ゆたかな美少年”――これほどの活躍をしたということを、どうか故郷の母に伝えてください、という歌なのです。
 諸君は、これからも同信退転の人々の屍を乗り越えて進むときもあるかもしれない。多数の人が、さまざまな戦いや事件によって退転することもあるかもしれない。先輩が疲れて、不純になって前進の障害になることもあるかもしれない。長い長い広宣流布の旅路においては、さまざまなことがあると思う。しかし、そのときに、たとえ誰人がいなくなっても、誰人が権力や時代に迎合しても、諸君の一人二人でも、五人でも十人でもいい、本当の大聖人の仏法を、日蓮正宗創価学会の伝統を、代々の会長の精神を受け継いで、立派に戦いきっていただきたいのであります。(大拍手)
 その人がおれば、因果倶時で、また学会も日蓮正宗も、そしてまた大聖人の仏法も、拍車をかけるがごとく、発展するのです。どうか本門の“右手に血刀、左手に手綱、馬上ゆたかな美少年”で高等部員の時代と学生部員の時代、否、一生の広宣流布の時代を生きていっていただきたいことをお祈りし、私の激励といたします。

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