Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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夏季講習会、壮年部大幹部会 壮年部は中核であり重鎮

1966.8.3 「池田大作全集」第3巻

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10  八番目に申し上げたいことは、遠く日蓮大聖人は大難四たび、小難数を知らず、日本民族の根本的救済のため、全世界の人々を救済するため、否、末法万年尽未来際の衆生を救済なさるために、難をしのんで、三大秘法の御本尊をお残しくださいました。私どもは日蓮大聖人の弟子であり、家来であり、子供であります。大聖人の遺志を全うするのは、弟子としても家来としても、また子供としても、当然の義務であるし、権利であります。
 二祖日興上人、また三祖日目上人も、代々の猊下方も、その大聖人のご精神を受け継がれて、幾たびか国家諫暁をなさり、他宗教が栄華を追っているなかにあっても、厳然と謗法から施をうけず、今日まで法灯連綿と大法を堅持してくださった。いま広宣流布の機熟し、大聖人も日興上人も、日目上人も、どれほどか喜んでくださっているかと確信いたします。(拍手)
 また牧口初代会長ならびに戸田前会長も、正法流布のために、大聖人のご遺命達成のために、一身をなげうって、どれほど戦ってこられたか。牧口初代会長は時の権力によって、牢死なされた。戸田前会長も大変な苦難のなかを、今日の学会の道を開いてくださった。その恩を断じて忘れてはなりません。
 昭和三十一年、最初の参院選の時には、あらゆる妨害のなかで、三名当選して、三名落ちました。世間では三名当選したといって、非常に驚いておった。だが戸田前会長は、非常に悲しんでおられました。このために広宣流布の構想が若干遅れてしまった。そのあくる年の大阪における補欠選挙には、戸田前会長もやはり死が近いことを予感しておったか、少しあせっておられたというか、早くいろいろな経験を積ませたいと思っておられたか、無理に補欠選挙をやって、見事にこれも敗北になりました。
 私は、戸田前会長がどうしても広宣流布をしなくてはならないという強い強い決心であられたことはよく知っております。しかし敵は多勢、味方は無勢でありました。敵はあらゆる権力と財力と陰謀、策略をもって、創価学会にかかってまいりました。学会は信心という二字で戦ってきた。あまりにも純粋であり、あまりにも清浄な戦いでありました。しかし私どもには御本尊があります。否、もはや五百数十万という同志がおります。これからは勝てないわけはない。その補欠選挙に負けたときに、私は戸田前会長とたった二人きりになって、私も泣いて恩師に申し上げた。「必ず自民党や社会党や民社党や共産党を、アッといわせるような戦いをいたしますから、先生どうか安らかに休んでください。いつか必ずいたします」と。(大拍手)
11  創価学会の力によって、日蓮正宗もこれだけ栄え、創価学会の力によって、日蓮大聖人のご遺命がやっと実現されてきた。今日の発展の大原動力となって戦われたのが戸田前会長であります。戸田前会長がおられたがゆえに、また牧口初代会長がおられたがゆえに、私どもが幸せな生活をし、社会的にも、人生にあっても、どれほどか誇り高く、裕福に、堂々と進んでいるか。その恩を報ずるために、地涌の菩は、創価学会の同志は、よく団結して前進し、悪徳議員やあまりにも悪い国家権力者たちに、愚かな民衆たちに“学会はすごい、真に民衆を救い、社会を救う力ある平和の団体である”といわせることが、遠くは日蓮大聖人、また近くは牧口初代会長、戸田前会長が、最も喜んでくださる道であるがゆえに、私は戦うのであります。(拍手)
 本当に大聖人の仏法を、御本尊を受持して、一生を全うしたい人は戦いきっていきなさい。戸田前会長のおかげで、創価学会の今日があり、その恩を報ずるところに学会精神の真髄があることを自覚して、共に、学会っ子として、人生を生ききろうという人は戦っていただきたい。(大拍手)
 江戸時代、島原の乱において、原城を守った天草四郎をはじめ三万八千人の同志は、板倉侯等の幕府軍十二万四千余人の攻撃に負けず、莞爾として、守りきった。最後は松平侯の策略等によって滅ぼされたけれども、寛永十四年十月から翌年の二月までの五か月間、それは命をかけるどころの騒ぎではなく、もう死ぬのはわかっている戦いでありました。全滅することがわかっていながら、天草四郎のもとに結集した信者は三万八千人で、そのなかには子供も、女の人も、老人もいました。しかし、そのなかで同志を裏切ったのは山田右衛門作という壮年ただ一人であったことがいまでもキリスト教徒の最高の誇りになっているのであります。
 外道であっても、これだけ純粋な同志の団結をもって、立派に生涯を飾っております。いわんや、われわれは独一本門の同志であります。幸福になり、偉くなり人々から尊敬されながら、それでなおかつ裏切るような者があったならば、無間地獄に落ちるのはあたりまえではないでしょうか。島原の乱のときに、三万八千人のなかで裏切り者はただ一人。わが学会の壮年部は一生涯、ただの一人も裏切り者も出さないという団結で進んでいくべきであると思います。(大拍手)
 私はまだまだ若い会長であります。未熟であり、欠点もあります。戸田前会長や牧口初代会長の遺訓を達成するために、会長になり、立ち上がったのです。あとはなにもない。これが師弟の道であり、同志の契りです。外道であっても、またどこの団体であっても、本当に人間らしい生き方をした、契りを結んだ師弟とか同志は、そういう姿を示しております。まして、最高の仏法に生きる私どもは、絶対に戸田前会長のご遺志を実現するのだという決意で進んでまいろうではありませんか。(拍手)
 したがって、皆さん方はまず御本尊を一生涯忘れず、学会を守りきって、日々、月々、年々に成長していただきたい。たとえかたわになろうが、半身不随になろうが、どのような立ち場になろうがその一念をもった人が立派であり、霊鷲山会において大聖人にお目通りがかない、おほめの言葉をいただける人です。だからといって、戦いに無理があってはなりません。体は大事にしてください。皆さん方がうんと長生きして、事故なく、そして福運を積んで、人生の最高の総仕上げをしていただきたいということを、朝な夕な私は御本尊に祈っております。
 次は青年部、学生部、高等部、中等部、少年部が待っております。その人たちに、個人においても、学会においても、立派にバトンタッチをして、あとは彼らが、伸びのびと、それこそ口笛を吹きながら、邪悪な謗法を見おろしながら、大手を振って勝ち戦の前進ができるようにしてあげようではありませんか。(拍手)
 事の一念三千の当体であり、因果倶時ですから、御本尊にこの決意で、異体同心の信心をもって祈っていくならば、必ず目的を成就していくことができます。いままで私が申し上げたことを、どうか忘れることなく、一緒に元気でがんばりましょう。(大拍手)

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