Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第八回関西総会 一生成仏へ生命錬磨の勤行

1986.11.12 「広布と人生を語る」第10巻

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31  豊かな人間性で良識ある行動
 さらに勤行のあり方に関する大聖人の御指南の一つとして「月水御書」がある。大学三郎の夫人からの質問に対しての御返事である。大学三郎は幕府の儒学者で重要な立場にあった人で、妻とともに純真な信心を貰いたといわれている。
 この御書は「方便寿量読誦事」ともいわれ、女性の「月水」(生理)の時の勤行・唱題は、どうあるべきかとの質問に対してお答えになっている。
 日本では長く女性の生理を不浄として忌み嫌う傾向があった。しかし大聖人は仏法上「月水」は少しも忌み嫌うべきものではない、自然の摂理ではないかと明示され、この女性蔑視の悪しき習いに対して、それは誤りであると述べられている。
 また、「随方毘尼」すなわち仏のいまだ制禁していない事例については、仏法の本義にたがわないかぎり、各地域の風俗や習慣、また時代の風習に従ってもよいという原理があることにふれ、不退の信心に立つことを前提として、「月水の御時は七日までも其の気の有らん程は御経をば・よませ給はずして暗に南無妙法蓮華経と唱えさせ給い候へ」と御教示されている。
 女性の立場を深く理解し、その人が無理なく安心して信心が続けられるようにとの、御本仏の深い御慈愛の御指導であると拝せられる。ここにも、指導のうえでの大切な原理を御教示されていると思う。
32  大聖人の仏法は一生成仏の大法である。「法華経の信心を・とをし給へ・火をきるに・やすみぬれば火をえず」と仰せのように、火うち石で火をつけようとしても、途中でやめてしまえば火はつかない。ゆえに生涯にわたる地道な信心の持続こそ肝要なのである。無理をして、信心の炎をかえって消すようなことがあってはけっしてならない。
 この意味において幹部は、一人ひとりの状況をよく聞き、理解しながら、勤行のあり方、活動のすすめ方など、ケース・バイ・ケースできめ細かにアドバイスしていくことが大切である。
 戸田先生は、次のように指導されている。
 「信仰即生活であることを指導して幸福へと導くのであって、指導者は、一日も早く会員一同が幸福であらんことを願うべきである」と。
 人々をして幸福へと導いていくのが私どもの使命である。幸福への根本の修行は御本尊への勤行・唱題である。その実践が正しくすがすがしく持続できるよう、あたたかく励まし、指導していくのが、幹部の役目なのである。その目的を忘れて枝葉にとらわれ、会員に重荷に感じさせたり、圧迫感をいだかせろようなことがあってはならない。むしろ、気持ちよく納得して信心できるよう配慮し、指導してほしい。
 また、戸田先生は次のようにも述べられている。
 「人生は険難であり、その行路は多難である。なかなか普通の生命力では押し切ってはいけない。ゆえに、大指導者として、偉大なる御本尊の功徳を受けさせ、強き生命力を得させるように指導するのである」
 どうかこの指導のように、広々とした心で後輩、同志に対し、安心と納得と大確信を与えていける指導者になっていただきたい。本日の話から、何らかの示唆をくみとっていただければ幸いである。

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