Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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各部代表者合同研修会 広布の後継者を陸続と

1986.8.13 「広布と人生を語る」第10巻

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14  この研修道場は、冬は厳しい寒さにつつまれる。その厳しい冬を経て、春を迎え、夏となる。夏は短く、またたくまに秋となり、再び厳冬を迎える。春夏秋冬の織りなす四季とともに、この研修道場から多くの人材が成長し、広布の舞台へと羽ばたいていっている。
 中国の思想家・韓非は、周公の言葉として次のようにいっている。
 「冬日の閉凍や団からざれは、則ち春夏の草木を長ずるや茂からず」と。
 これは、冬の日に大地を固くとじ凍らせる厳寒がないと、春から夏にかけて草木が勢い盛んに茂るにはいたらない、という意味である。
 人生もまた同じである。艱難辛苦を経なければ、ほんとうの人生の繁栄も、真実の人間の完成と偉大な勝利も得ることはできないのである。
15  人生には、さまざまな困難や労苦があるものだ。それを思うとき、青春時代から享楽的な、満ち足りた生活のみを送っていて、苦難にあったときに、はたしてそれを乗り越えていく力をもてるのかと、心配に思う。やはり若き日にさまざまな試練、苦難を経てこそ、総仕上げの人生を飾り、勝利の栄冠を得ることができるのである。ゆえに、青春時代の苦難や試練を絶対に避けてはならないと申し上げたい。
 いまや社会には、いたるところで”快楽”がはびこっている。快楽を求めることのみにきゅうきゅうとしている人が多い。しかし、人生は厳しいし、どんな宿命が待ちうけているかわからない。また、だれ人たりとも死んでいくときは自分一人である。だれも助けてくれるものではない。人生の最終章を、心から”安楽”で悔いなく飾っていけるかどうか、それは若き日の”厳冬の鍛え”によって決まるといっても過言ではない。年配になってから鍛えようとしても容易ではない。皆さまはそのような、悔いを残す人生であってはならない。
 ”安逸にみちたぬるま湯のような社会”であったとしても、そのなかで自分自身を磨き鍛えて、成長への”中道の人生”を歩みゆく人にこそ、真実の幸福が輝いていくのである。

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