Nichiren・Ikeda
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田方会館を訪問
悠々たる確信の人生を
1986.7.1 「広布と人生を語る」第9巻
前後
5 なにごとにあっても、試練、鍛えが大事である。とんとん拍子の、順風満帆の人生などありえない。もし、あったとすれば、人間的にも鍛えのない弱々しい生命となってしまうであろう。あまりに恵まれすぎ、幸せいっぱいの環境で育った子供は、大人になっても逆境に弱く、甘えの人格となってしまう。いわんや根本の信心にあっては鍛えがなくてはならない。
その意味で、信心の途上で遭遇する災難、事故等は、一歩深くみるならばすべて信心を深め、強固にするための鍛えともいえる。三世永遠にわたり崩れざる福運を築くための試練となっているのである。
信心にしか、成仏の道はない。信心を強固にする以外に永遠なる幸福も築きえない。ゆえに、災難や事故等にあって、信心を失ってしまうことほど無価値なことはない。それまでどんなに強盛に信心をしてきたとしても、すべて水泡に帰してしまうことになる。なにごとがあっても、そのことに一喜一憂して御本尊を疑い、退転していくような信心であってはならないと申し上げておきたい。
6 財産が多くなったとか、職場などで勝利したとか、生活や人生でのさまざまな喜びはあるだろう。もちろん、それらは喜ばしいことではあるが、永遠の幸福からみれば小さな幸福である。大事なことは、永遠の幸福を開きゆく信心を、どこまで貫き通せるかである。
どのような社会や世の中になり、人生にどのようなことが起こっても、それらをすべてつつみこみ、見下ろしながら、師子王のごとき悠々たる境涯で進んでいただきたい。そして信心強く「法」のため、「人」のため、「社会」のために貢献していく人生こそ、もっとも幸せな人生であると確信して、よき人生をともどもに歩みぬいていただきたい。本日お会いできなかった田方の同志の方々に、くれぐれもよろしくお伝えいただきたい。