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第1回静岡県本部長会 自身の胸中に”金の日記”を綴れ

1986.5.31 「広布と人生を語る」第8巻

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11  ユダヤ人にみる宗教の社会性
 戸田先生は、ユダヤ民族の歴史について話してくださった。それは、日本ならびに世界の広宣流布をしていくうえにおいての、一つの覚悟と一つの方途とを、そこから見いだしていくべきであるという示唆に富んだ話であった。
 ユダヤ人は、紀元前六世紀にユダ王国が滅亡し、「バビロン捕囚」以来、移住と迫害の連続であった。が、なぜ、厳しい弾圧に耐え、もっとも高度な民族の連帯を維持できたのか。
 戸田先生は、ユダヤ民族が、幾多の大打撃を耐えぬいて結束し、民族性を維持してきたのは、「シナゴーグ」という組織があるからだといわれた。
 このシナゴーグというのは、集会を意味するギリシャ語に由来しており、ユダヤ教の礼拝の場所のことである。ユダヤ教徒は、このシナゴーグに集まり、礼拝を行い、戒律を学んできた。つまり、それは”祈りの家””学びの家”であり、さらに中世では、旅人の宿泊所としても使われ、外部世界との交流の場でもあった。
 このシナゴーグには、老いも若きも、富める者も貧しい者も、学問のある者もない者もともに、少なくとも週一回は集い寄ったという。
 人々は、真剣に学びあった。学んでカをつければ、社会や世界を動かせると励ましあった。また、断じて生きぬこう、自分たちの同志を守りぬこうという結束を固めていった。シナゴーグは、ユダヤ人社会のシンボルであり、現在も、全世界に一万三千以上のシナゴーグが存在するといわれている。
 フランスの著名な社会学者デュルケムは、人々をダイナミックに一つの共同体に凝集させていく社会的統合の働きが、宗教の本質的機能である、といっている。つまり彼は、社会性こそ、宗教にとって原初的、根源的なものであると考えているわけである。まさに学会の行動は、真の宗教の歩み方であると、確信してよいだろう。
 ユダヤ人のなかには、多くの実業家や富豪、またノーベル賞を受賞した大学者といった実力者が、世界中にいる。そうした有力者をはじめ、全員が強い民族意識を共有しており、ユダヤ民族ほど連帯感の強い民族は、歴史上、存在しないといわれている。私どもの仏法と、宗教の内容は違うとはいえ、その執念と団結の歴史はまことにすぼらしく評価できると私は思う。
12  私どもは、仏法の真髄である「本門寿量品」の文底の大法を信受し、三世永遠をつらぬく尊極の妙法を奉じている。ゆえに、久遠元初以来、尽未来際にわたる妙法の広宣流布という至高の大目的のために、このうえなく広範にしてうるわしい団結の姿で前進していくことが何より肝要である。
 この点を銘記し、これからも、一生涯すばらしき地域広布と世界広布への大道を歩み、自身の胸中に幸の歴史にいろどられた”金の日記文書”をつづっていっていただきたい。
 本日の集いを記念して、次の歌を、壮年部、婦人部、青年部の代表に贈らせていただく。
  熱原の 烈士につづかむ 静岡の
    勇者の名字は 諸仏も見つめん
  
  御書のまま 拝し動かむ 清らかに
    三世の幸の 今日の修行と
  
  東海の 旭の昇る 聖地にて
    仏の命と 君もかがやけ

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