Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第四回SGI総会 世界の同志と「異体同心」の前進

1983.8.16 「広布と人生を語る」第5巻

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1  このたび総本山大石寺への参詣、また第三回世界平和文化祭への参加のため、各国から多くの同志とともに来日し、本日の総会に出席された各国(三十六か国)のリーダーである皆さま方の、遠来の労に対して、心から敬意を表したい。とくに初の参加となった中米のコスタリカ、中近東の代表の労を心からたたえたい。
 日蓮大聖人は「皆地涌の菩薩の出現に非ずんば唱へがたき題目なり」と仰せである。御本尊を信受し、広布に励む地涌の菩薩の眷属であるわれわれは、日蓮大聖人の御使いとして、末法の五濁悪世の世界を救済していく使命と責任と誇りをもった存在である。
 日蓮大聖人の大法、すなわち日蓮正宗の仏法は、不完全な他の宗教、思想、哲学と違い、宇宙と生命の根本を説かれた、御本仏の“悟りの法”である。永遠に、大功徳のある法である。いっさいを蘇生させ、人類に希望を、平和を、そして幸福を与えゆく大良薬である。
 大聖人の仏法への信仰を弘める以外に、もはや全人類を救いゆく方途はありえない。このことは、われわれの独善でもなければ、狂信によるものでもない。御本仏の宣言であられ、また、われわれが実践をとおして事実のうえで証明し、強く確信していることなのである。
 末法万年にわたる希望の時代への“夜明け”である今日、世界各国で、地涌の友のリーダーである皆さん方が、全人類の先駆けとして信心し、多くの人々を御本尊へと導き、指導し、総本山へ参詣させていることは、重大なる意義をもっていることを確信してほしい。
 皆さん方は、それぞれの国にあって、現在は無名かもしれない。社会にあっても、仕事の面においても、たいへんに苦労されているかもしれない。しかし、仏法の目からみるとき、かならずや最大の功労者として、歴史をつづり、名を残していくことはまちがいないと申し上げておきたいのである。
 現在、折伏・弘教が思うように進まないと悩んでいる方もおられるかもしれない。
 しかし、法華経にも説かれ、御書にも仰せのごとく、折伏・弘教は難事中の難事なのである。けっして、嘆き、あせる必要はない。真剣なる深き祈り、真剣な勇気の活動があるかぎり、草木が時とともに葉を茂らせ、花を咲かせ、果実を実らせていくように、かならずや、妙法の広がりゆく大発展の時代は到来するにちがいない。
 やがては、世界中で、何千万の人たちが御本尊を持ち、平和と幸福のために強き連帯を結んでいくことはまちがいないと確信していただきたい。
 ゆえに、たゆみなく希望をいだき、自信をもち、情熱を高めながら、信心の大道を歩みつづけ、尊い一生を、信心の栄光と勝利で飾っていただきたいのである。
 仏法と社会と平和について述べておきたい。
 日蓮正宗の仏法は、すべての次元の根本である。この仏法を純粋に信じ、確実に研鑽し、後世に伝えていかねばならない。それがわれわれの本来の責務である。とともに、われわれは社会のなかで生活し、生きている。ゆえに社会に仏法を展開し、広宣流布への実践を展開してきたのである。社会と生活から離れて仏法はありえない。
 社会においては、生活力をもたねばならない。生活の充実も、仕事での成功も大事となる。うるおいのある人間関係を失ってはならない。各国の法律を順守していくこともとうぜんである。
 そうした社会での諸活動にあって、信心を原動力として、生活を確立し、信頼を築き、人間関係を深めながら、社会人として、また一市民として、輝く勝利者となっていくところに仏法の生き方があるといってよい。
 信心即生活、仏法即社会の原理にのっとり、大聖人の仏法を、生活のうえに、また社会のなかで実証してきたところに、今日の広布の大いなる発展がなされてきたことを忘れてはならない。
 また、「平和」は人類の願望である。その現実の姿として、社会が平和でなければならない。そのために、仏法を社会に広げていかねばならないのである。それが、われわれの平和運動の基調となっているものである。
 いま、世界の各地に、仏法を基調とした平和運動が展開され、小さな川から大河へと、深さを増し幅を広げ、勢いを増している。その運動は、将来において、世界の人々の大いなる共感を得ていくことはまちがいないと確信していただきたいのである。
 御書に「異体同心なれば万事を成し」との御聖訓がある。
 大聖人の仏法は一閻浮提の大法である。一閻浮提とは全世界であり、全人類の救済をめざしたものである。その聖業は、妙法の同志の異体同心の前進なくして成就しえないと、御教示くださっているのである。
 各国にあっても「異体同心」でなければならない。とともに世界の同志も「異体同心」でなければならない。この「異体同心」こそ、大聖人の御心にそうことであり、御法主上人の御心なのである。
 「SGI(創価学会インタナショナル)」は、もとより政治団体でも、経済団体でもない。あくまでも人類の幸福と世界の平和のために、妙法の信仰で結ばれた地涌の友の連帯組織なのである。それはわれわれがつくり、築いてきた、他に例をみないものである。ゆえに、この大聖人の仰せどおりに、限りなく、異体を同心としゆくところに、成仏も広布も福徳も成就しゆく正道があることを訴えておきたいのである。
 皆さま方のいっそうの成長と健勝、各国の平和と繁栄を心から願い、本日のスピーチとしたい。

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