Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第一回新潟県総会 一人ひとりが社会の長者に

1983.4.14 「広布と人生を語る」第4巻

前後
1  法華経の随所に解かれている「長者」について述べてみたい。
 物心ともにめぐまれた豊かな人をさすことはいうまでもないが、釈尊の仏法と大聖人の仏法は、流布される時代や、背景となる社会形態が異なっており、したがって、長者の姿もとうぜん違ってくる。現在では「長者」とは”栄えの人“であり、広布に欠かすことのできない功徳の実証を示した姿を意味するといってよい。
 それぞれの家庭で、地域で、地涌の友が光った存在となる。これもまた「長者」の「姿」である、しかも現在は社会的立場も平均化されつつある時代である。そこにおいては、”心の豊かさ“こそが、長者の要件といえよう。その反対が貧者なのである。その意味で御本尊を信受し、人々の幸せ、社会の繁栄のために活躍しゆく妙法の同志こそ、最高の「長者」である。
2  また、御書に「寿量品の内証に随順ずいじゅんするを随とは云うなり、しかるに自他共に智慧と慈悲と有るを喜とは云うなり」との御聖訓がある。
 寿量品の内証である三大秘法の南無妙法蓮華経に随順することを「随喜」の「随」という。また、自他ともに智慧と慈悲があることを「喜」というのである。
 ゆえに、私どもは日蓮正宗の大御本尊に、いかなることがあっても随順していくことが信心の肝要である。そして、複雑きわまりない社会と人生にあって、智慧を湧現し幸福の道を歩んでいくことが喜びである。さらに抜苦与楽の折伏行に邁進していけることも、これまた最大の喜びである。この「随喜」の信心を忘れぬ「妙法の長者」としての一生をともどもに飾っていきたい。
 旧習深いこの地にあって、御本仏日蓮大聖人をお偲び申し上げながら、他宗教を凌駕して、生きた宗教として第一の力を示すまでになった新潟の発展に対して、心からご苦労さまと申し上げたい。この輝く実証こそ”広布の夜明け“である。さらに、それぞれの地域社会にあって、明確なる一つひとつの勝利の実証を示していくところに「立正安国」の夜明けが到来するのである。
 御書に仰せのごとく、王子が成長して王となるように、仏子である私どもの成仏はまちがいないのである。崩れることなき幸福の到来は絶対なりと確信されたい。
3  最後に、あくまでも高田県長を中心に、皆さんが守り支えていっていただきたい。そして、日蓮大聖人有縁のこの新潟の天地に、正法の王国を築いていただきたい。信心は悔いなき行動でなくてはならない。悔いなき行動の信心でなければ、まことの信心とはいえない。この永遠に続くであろう有縁の地にあって、子孫末代までも栄光輝く歴史を自分は残したといえる人生をおくられることを念願し、本日の話しとしたい。

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