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日蓮大聖人・池田大作

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高等部新世紀会大会 ”甘え”排し”鍛え”の青春を

1983.1.23 「広布と人生を語る」第4巻

前後
7  私事でまことに恐縮だが、私には三人の息子がいる。私はこの三十五年間、広布のために使命の道を走りつづけた。法戦の連続の展開であった。そのためもあって、息子たちの教育はほとんど妻にまかせた。
 妻は、たえず信心の必要性と学会の使命を教え、正確な勤行を教えていった。そして、信心の世界へ、学会の同志のなかへはいっていくようにした。そのうえで、子供の教育として考えたことは、一つはかならずアルバイトをさせたことだ。若いうちにお金の貴さを体で覚えさせたい。甘えさせてはいけないという意図からだ。
 二つは、大きくなれば家から出し下宿をさせたこと。これは、自分のことは自分でさせ、他人の苦労もわかりながら独立独歩の人間にと願ったからだ。三つは、それぞれの子供に応じた”鍛え”を考えた。少々体の弱かった長男にはスポーツを、体の頑健な次男には勉学を、三男には”甘え”をつくらないよう天文や海洋のほうへと向かわせた。若い人が不明朗な、不健全な生き方をすることはまったくよくないとして、ひろびろとした心の育て方をしていってくれた。
 青春時代は、生きいきと大空を相手にしたり、大海を相手にしながら、伸びのびとした気持ちで成長していってもらいたいとの念願が、すべて実を結んだようである。
 いまは、三人ともみずからの意思で、教育界に、社会にと順調に第一歩を踏みだしている。
 それぞれ家庭の状況が違うので、教育方針が異なるのはとうぜんであるが、これをひとつの例として、諸君の今後の人生の歩みにおいて、ここから何かをくみとってもらえればと思う。
8  最後に、諸君に願いたいことは「約束を果たせる人に」ということだ。
 これまで多くの世界の指導者に会ってきたが、私が会った指導者は、一人として約束を破った人はいない。私もまた約束を破らないようにしてきた。約束事はかならず果たす−− その信念の人が人間としていちばんえらい人だと思う。
 たとえ約束をして卑怯者に裏切られても、その裏切った人間の心の奥に「さすがあの人はえらいひとだ」との思いを生涯残していくような偉大な人間になっていただきたい。
 本来なら、いろいろな楽しい話をしてあげたいと思う。しかし、ほんとうの話を、ほんとうに訴えて、ほんとうの人材をつくりたいとの気持ちで、本日はこの席に望んだ。また、諸君にも来てもらった。どうか、その真意をくんでいただければと思う。
 厳しい社会でご両親もなにかとたいへんであろう。「気持ちをわかってくれない」といった反発ではなくして、あるときは友人のような気持ちで大きく支え、激励してあげるような心根の清らかな一人ひとりであってほしい。また、後に続く未来部員たちにとっても”よき兄、よき姉”のような存在であっていただきたいことを心から念願して、私の話とさせていただく。

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