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日蓮大聖人・池田大作

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創価高校第7回卒業式――記念講演 未来に輝く才能の大建造物を

1977.3.16 「広布第二章の指針」第10巻

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4  現実の壁に挑戦
 皆さん方は、今後かならず社会という次元において、あるいは自己の宿命という次元において、さまざまに立ちふさがる壁というものを感じることがあると思います。そしてその壁は、どうしょうもなく厚い、また高い壁に感じられる場合があります。しかし、それに負けないでいただきたい。その壁というものは、後になってみれば、なんでもない場合がほとんどです。
 こういう話があります。それは少年時代に故郷を出て、十年後、二十年後に大人になって帰ってみると、あれほど広かった川が三メートルほどの小さな川であり、広場同様に遊び回った大通りが、やっと車がすれ違う狭い道にすぎず、町全体がいかにも小さくなってしまっているというのです。これはなにも川や道や町がちぢんだわけでもなんでもない。少年時代と大人になってからとでは、判断の基準が大きく変わってしまっている結果にすぎません。
 同じように、青春時代の悩み、壁というものも、やがては小さなものにすぎなかったことが、わかるときがくるものです。もちろん、そういう壁をいいかげんに考えていいということではありません。どのような壁であっても、はいあがってもらいたい。たとえ落ちても、もう一度立ち上がってはいあがっていくならば、かならず乗り越えられるものです。手に負えない壁のように見えているにすぎない、ということを申し上げたいのです。
 どうか、これからの長い人生にあって、いろいろなことはあるでしょうが、いじけたり、逃げの人生になったりすることなく、勇敢に、たくましく自分自身に挑戦してもらいたい。そして、一人ももれなく、学園桜の大樹となり、お父さんやお母さん、そして妹や弟たちをはじめ、お世話になった方々を大きくその桜でつつんでいただきたいことを、お願い申し上げたい。
 ともかく、地によって倒れた者は、地によって立ち上がるしかありません。自分らしく、いかなる人生を生きるのも結構ですが、最後に人生の卑怯者、敗北者とだけはいわれることのないように、学園魂だけは忘れず、また、その学園の誇りを担った諸君たちであるよう心よりお祈り申し上げ、万感こめて、諸君の新たな門出への祝辞とさせていただきます。(大拍手)

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