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戸田前会長19回忌法要 ”核心”を鋭く洞察して生きよ

1976.4.2 「広布第二章の指針」第8巻

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2  「広・略・要」と教学のあり方
 戸田先生のよくいわれた”ホシをつかめ”という指導に関連して、仏法の「広・略・要」の”要”について少し申し上げておきたい。
 それは教学の勉強のあり方にも関するからであります。また、われわれ、皆さん方が大勢の人を指導する場合にも、決め手になるからでございます。さる「教学の年」以来みんなで決意も新たに、営々と教学の大きい展開をしてまいりましたが、それが、肝心の”要”を忘れて”広”にばかり目を奪われてしまいますと、”過ぎたるは及ばざるが如し”というように、難しいことから難しいことへと、点々とわたり歩いて、いきつくところがなくなってしまう。くねくねと長道中を繰り広げるようなものであります。本人は、それで満足するかもしれませんが、それを聞かされる一般の人々は、かえってわけがわからなくなってしまう傾向を、私は心配するのでございます。
 極言かもしれませんが、難しいことを難しくいうのは、まだまだ至っていない、ということに通ずるわけでございます。わからないから難しくなってしまう場合が多い。
 戸田先生のように、じつに難しいことを易しく、わかりやすい表現でスパッと話して聞かせることこそが、真の”達人”の境地ではないかと、私は思うのでございます。
 御書を拝しましても、深淵な論文もあれば、易しい御消息文もございます。だが、おおせの内容は少しも違っておりません。その緩急のお手並みはまことに鮮やかそのものでございます。みなさん方の、これからの講義も指導も、いま、私が申し上げんとすることをよくわきまえてください。そして、自信をもってください。
 たくさんある問題を要約して、どこを打ち込めばよいのか、どう対処するかという焦点を忘れてはならないという意味でございます。そうしてみれば・私どもはもう一度、わが言動のあり方を反省してみて、もういちだんと成長して、大聖人のおめがねにかなうよう、そして、戸田先生の全に対する機微に思いをいたし、さらにさらに人間成長への努力を尽くしていきたいと思うしだいでございます。
 きょうは、関西の地で、戸田先生を偲んでの初めての法要にあたり、心のままに最近の私の所感を述べさせていただきました。皆さま方のご多幸を心よりお祈り申し上げ、また、最後に、全国各地で、恩師の法要を営んでくださった同志に、衷心より御礼と感謝を申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。

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