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日蓮大聖人・池田大作

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新時代第36回本部幹部会 全国婦人部グループ長大会

2010.1.9 スピーチ(聖教新聞2010年上)

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1  新年、おめでとう!
 戸田先生は、よく言われた。
 「断じて、戦い勝つ自分たれ!
  戦い勝つ創価学会たれ!
  大勝利のために、前進、前進の創価学会たれ!」
 人生は戦いである。
 戦い勝つ人は幸福だ。晴れ晴れとして、朗らかだ。
 ゆえに、この一年も、断じて戦い勝つ、一人一人であってください!〈会場から「ハイ!」と返事が〉
 日蓮大聖人は「仏法と申すは勝負をさきとし」と結論された。
 立派な経典があっても、負けて不幸であれば何にもならない。真実の仏法の実践者は、三世を貫く絶対の力を発揮していくのだ。
 戦って勝つ人間。そこから仏法は始まる。最後も、そこに帰着する。
 この創立80周年。君も幸福勝利を! 我も前進勝利を!
 君も我も、ともどもに断固と勝ち続け、笑顔の毎日であれ!──と申し上げたい。
 そして、広宣流布の達成のため、「1千万の鉄の団結の創価学会」でいこう!
 頼むね、青年部!〈「ハイ!」と、元気みなぎる返事が〉
 いいね。青年部がいるから、安心だ。
 今、広布の戦いを、若い皆さんが担い、頑張ってくれている。皆さんの奮闘は全部、知っています。
 いかなる団体も、リーダーが気取りを捨てて、真剣に戦ってこそ、皆も奮い立つ。要領や口先だけで、厳しい現実を勝ち抜けるはずがない。
 死にものぐるいで、皆のために働く。皆に喜んでもらう。そのための指導者だ。
 私自身、そうやって戸田先生のもとで戦い、常勝の歴史を築いてきたのである。
2  求道の友を心から讃えよ
 偉大な海外の皆さん、寒い中、本当にようこそ!
 仕事を持ちながら、はるばる海を越えて、会合に、広布のために来てくださる。偉いではないか。
 求道の魂を燃やし、喜び勇んで、遠い道のりも駆けつける。
 この心があるから、学会は強いのだ。断じて当たり前と思ってはいけない。温かくねぎらい、最大にほめ讃えていくのが、真の仏法である。
 「ありがとう、ありがとう」と、真心こめて握手をする。「力の限り、何でも応援します」──そういう心で迎えていくのだ。
 皆で海外の友に拍手を贈ろう!
 アメリカの皆さん、ありがとう! 社会からの尊き顕彰は、すべて皆さんに、そして子々孫々に輝く栄誉です。アメリカ創価大学の大発展も、本当にうれしい。
 ブラジルの皆さん! 青年部が先頭に立って、全国6,200ブロックが「王者の大前進」、見事です。おめでとう!
 イタリア、イギリス、ドイツなど、ヨーロッパも、元気いっぱいに人間主義を拡大している。本当に素晴らしい。ありがとう!
 香港、マカオの皆さん! 「女性の世紀」を開く、初の婦人部・女子部の研修会、おめでとう! ご苦労さまです。
 微笑みの国・タイなど、東南アジアの皆さんも、異体同心の仲良き行進、本当にありがとう!
 韓国の皆さん、本当にいつもありがとう! 今年は「記念講堂」も完成する。幸福幼稚園の皆さんにも、どうか、よろしくお伝えください!
 さあ、海外の全同志とともに、朗らかに勝ち進もうではないか!
3  全国の婦人部大会 おめでとう
 きょうは、全国婦人部グループ長大会、本当にご苦労さま!
 全国各地で、グループごとの婦人部大会が、明るく朗らかに行われている。
 地域に根を張った、少人数での心通う語らい──これほど尊く、強い、平和の原点はない。
 ドイツの文豪ヘッセは、何事も「その土地になくてはならず、根づいており、だからこそ美しい」ものと知れと述べている(高橋修訳「旅について」、『ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集第4巻』所収、臨川書店)。
 地域に根づいた、なくてはならない人こそ神々しい。まさに婦人部の皆様である。
 尊き女性の門下たちに対して、日蓮大聖人は、仏法の真髄を明快に示していかれた。
 ある時は、千日尼と国府尼に対して、「同心」の二人であるから、一緒に──との言葉を添えて、大激励の手紙を贈られた(御書1324㌻)。
 またある時は、同志と“常に寄り合って”、この手紙をご覧なさい、と綴られている(同1114㌻)。
 大聖人は、身近な友と仏法を語り合い、常に励まし合っていく大切さを教えられた。
 この御心に完壁にかなっているのが、婦人部大会である。
 ここに「歓喜」があり、「功徳」がある。
 ここに「幸福」があり、「正義」がある。
 ここに「友情」があり、「希望」がある。
 皆で、婦人部大会の大成功を祈って、大拍手を贈りたい。
4  花の芸術部の皆さん、いつもありがとう! 今年も、よろしくお願いします!
 聖教の拡大も、折伏も、本当にご苦労さま!
 信心においても、わが舞台でも、芸術部は頑張っている。見事な栄冠を飾っている。
 本当におめでとう!
 一人一人の活躍を、私は心から讃えたい。〈芸術部の友から名誉会長に「お誕生日、おめでとうございます!」と祝福の声があがった〉
 ありがとう!
 戸田先生が、こう語っておられた。
 「偉大な芸術家は、まことに心が若い。まるで青年のような、乙女のような、若々しい生命力をもっている。
 皆、人生の名優たれ!」
 創価の宝の芸術部は、皆、生き生きと若々しい、最高峰の生命の名優である。学会の誇りだ。
 太陽のごとく明るく、富士のごとく悠然と、わが人生の劇で勝利していただきたい。
 芸術部が立てば、十人力、百人力、いな、それ以上である。
 芸術部の皆さんが、懸命に頑張っているおかげで、学会は一段と伸びている。
 「あの人も、大変な中、勇敢に信心に励んでいる。私も、負けずに頑張ろう!」──そのように見つめている同志は多い。
 芸術部は、偉大な創価の「妙音菩薩」である。芸術部の栄光輝く一年にと、私たちは皆で祈りたい。
5  今や、世界が創価の人間主義に熱い期待を寄せている。
 ロシアの大地には、光栄にも、私の名を冠した、雄大な自然の大庭園が広がっている。
 〈オムスク州・カルブザ村の池田大作記念友好庭園。名誉会長の「露日交流への貢献を讃えて」命名された〉
 どうか皆様も、わが胸に、限りない青空を抱き、果てしない大庭園が広がるような、大いなる心で進んでいただきたい。
6  「同志を護る!」その一念に栄光
 声は力だ。
 勇気の声、希望の声が勝ち戦を開く。
 声も響かない。光る決意もない。それでは勝利の風を巻き起こすことなどできない。
 若き指導者として戦うならば、本気になって題目をあげ、“一人立って学会を護る”という覚悟をもつのだ。
 わが信念を叫んで叫んで叫び抜く。
 皆が目を見張る、見事な実証を示す。
 「さすが!」と言われる人間になるのだ。
 題目をあげているのだから、堂々と!
 題目をあげている人は、最高の力を持っているのだ。頑張れ!
 大切なのは「心」だ。心がどうかは、行動に出る。あらゆる結果に峻厳に現れる。「一念三千」である。
 広布のために、同志のために尽くし抜く。その一念で戦うのだ。
 いよいよ、青年部が立ち上がってきた。本当にうれしい。
 中国の文豪・巴金ぱ・きん先生は言われていた。
 「青年も、すでに力をつけ育ってきた。現在も未来も、すべて青年のものだ。活躍するのは、青年でなければならない」
 全員が「青年の心」で進もう! 新しき常勝の陣列を、今こそ築いてまいりたい。
7  祈りと努力で最後に勝て!
 スポーツ部の健闘、本当にうれしい!〈「ありがとうございます!」と代表が立ち上がった〉
 立ち方がスッとしていて立派だね!
 真剣勝負の青年は、美しい。挑戦の汗は高貴だ。
 野球の皆さん! サッカーの皆さん! アメリカンフットボールの皆さん! ほかにも、さまざまな競技で日本一、世界一の活躍、おめでとう!
 格闘技の皆さん、ご苦労さま! 格闘技界では、スポーツ部が結成されてから、すでに幾人もの世界チャンピオン、日本チャンピオンが誕生しました。おめでとう!
 また、創価大学陸上部の皆さん!
 箱根駅伝、本当によく頑張りました!
 〈1月2・3日に行われた第86回「東京箱根間往復大学駅伝競走」に、創大陸上部の尾関誠選手(4年)と福島法明選手(3年)が、関東学連選抜メンバーとして出場した〉
 これからも「負けじ魂」の力走を祈っています。
 スポーツ部の皆さんは、心も体も、日ごろの鍛錬が光っている。堂々たる勇姿だ。皆さんの健闘は、よくうかがっている。
 勝負の世界だから、勝つことも、負けることもある。たとえ敗北しても、「負けるが勝ち」で前へ進むのだ。
 そして、最後の最後には、断じて勝つ! そう心に決めて頑張ってください!〈スポーツ部の友から「ハイ! 頑張ります!」と返事が〉
 ともあれ、「法華経に勝る兵法なし」である。
 君たちは、勝つために生まれてきた。
 「絶対に勝つ」ための究極の力が、信心である。
 強盛な「祈り」と、これ以上ないという「努力」で、今年も勝ちまくっていただきたい。皆で応援しよう! 頑張れ!
8  戸国大学の誉れ
 わが恩師・戸田先生は、何であれ、負けるような人間に対しては厳しかった。
 「折伏ができない幹部は、幹部をやめよ」とまで言われた。あの厳愛の指導ありて信心の土台が築かれ、いかなる難をも勝ち越えることができたのだ。
 断じて勝ちゆけ!
 そう若き皆さんに申し上げたい。
 私は戸田先生を守りに護った。先生の理想を全世界に広げた。私ほど、師匠を大事にした弟子はいない。そう自負している。永遠に誇り高い。
 それほど師匠を護り抜き、学会を築いていった。
 夜学を断念して先生を支えた。その私に先生は、学問の真髄を打ち込んでくださった。まさに「戸田大学」であった。
 私は、先生を追い落とそうとした野心家を打ち破り、先生に会長になっていただいた。
 広布の戦いが進まなければ、「私がやります!」と打って出た。
 あの豪毅な戸田先生が「ありがとう、ありがとう」と言ってくださった。
 先生は亡くなられる時も、「大作、よくやってくれたな。大作、大作……」と言われて霊山に旅立だれた。最後まで「ありがとう、ありがとう」と。
 これが師弟である。これが創価の人生だ。
 若き皆さんも、頑張れ!
 かつて対談したイギリスの歴癒家トインビー博士は若い私の前途に期待し、「あなたの師匠は、あなたがいたから、幸せだったと思う」と深い理解を寄せてくださった。
 わが青春は権力悪に踏みにじられた。戦争で兄を奪われ、苦しみ抜いた私が、創価学会の第三代会長として立ち上がって50年。
 我らの人間主義の連帯を、世界が支持している。絶讃している。
 師弟に生き抜けば、どれほど偉大な栄光に包まれるか。若き皆さんは、心に深く刻みつけていただきたい。
 妙法は、永遠の、ただ一つの、平和と幸福の法である。
 それを広めている学会を護っていただきたい。そのために力をつけてもらいたいのだ。
 頼むよ!〈会場から「ハイ!」と力強い返事が〉
9  新成人の君よ親孝行を!
 今年20歳の新成人の皆さん、本当におめでとう!
 皆、しっかり学び、努力して、立派になっていただきたい。
 お父さんやお母さんに喜んでもらえる人生を歩んでほしい。
 青年部の皆さんは、必ず親孝行をしてください!〈「ハイ!」と元気な返事が〉
 ドイツの文豪ゲーテは小説に綴っている。
 「運命はぼくにきびしい試練を課したのだ。しかし勇気を出すことだ!」
 「忍耐だ。忍耐だ! そうすればよくなっていくだろう」(手塚當雄訳「若いウェルテルの悩み」、『世界文学全集第3巻』所収、河出書房新社)
 順風満帆に見える人よりも、厳しき試練に勇敢に挑み、粘り強く悪戦苦闘した青年のほうが、後になって光る。強くなる。はるかに偉大な歴史を残していけるのだ。
 思えば、日蓮大聖人の時代、「熱原の法難」に敢然と立ち向かった若き弟子に、20歳の南条時光がいた。
 大聖人は時光に有名な御聖訓を贈られた。
 「願くは我が弟子等・大願ををこせ
 人間として、最も崇高な大願とは「広宣流布」である。絶対に悔いのない、最高に充実した、価値ある青春が、ここにある。
10  生まれ変わった決意で行動だ
 創価学会の80年の誉れ──。
 それは、法華経と御書の通りに行動し、難を受け、そして勝ち越えてきたことである。
 日蓮大聖人は「開目抄」に仰せである。
 「この法門を説いてきたが、日々、月々、年々に、難が重なり起こってきた。
 小さな難は数えきれない。重大な難は4度である」(御書200㌻、通解)
 最も正しい御本仏が、大難の連続であられた。
 さらに大聖人は、こうも仰せである。
 「ある時は寺を追い出され、ある時は住処を追い出され、ある時は親類を苦しめられ、ある時は夜討ちにあい、ある時は合戦にあい、あるいは悪口(あっこう)を数知れず言われ、ある時は打たれ、ある時は傷を負い、ある時は弟子を殺され、ある時は首を切られようとし、あるいは2度も流罪に処せられた。この20余年の間は、一時片時も心安らかなことはなかったのである」(同1514㌻、通解)
 一番、正義であるゆえに、一番、難が競い起こるのである。
 そして大聖人は、厳然と宣言なされた。
 「いまだ日蓮ほど、法華経の味方をして、国土に強敵を多く呼び起こした者はいない。
 まず、この眼前の事実をもって、『日蓮は一閻浮提(全世界)第一の者である』と知るべきである」(同283㌻、通解)
 この大聖人に直結して、強敵と戦い続け、世界192カ国・地域に、日蓮仏法を弘めてきたのは、一体、誰か。
 初代の牧口先生であり、二代の戸田先生である。
 そして、不二の心で進む、三代の私であり、皆様方である。
 創価の師弟こそ、「一閻浮提第一」の広宣流布の闘士なのである。
 その功徳と歴史は、永遠であることを忘れまい。
11  牧口先生は叫ばれた。
 「悪口罵詈、猶多怨嫉の難は法華経の実践者の誉れなのである」
 戸田先生は断言された。
 「大難に立ち向かわれる、大聖人の師子王の大精神──
 この志を継承する者こそ、われわれ創価学会である!」
 これが、創価の師弟の誇りである。
 有名な「諸法実相抄」には、こう明確に記されている。
 「(三類の強敵による大難に)耐えて、妙法を弘める人を、釈迦仏は必ずや衣で覆い守ってくださるであろう。諸天は必ず、その人に供養するであろう。また肩にかけ、背中に負って守るであろう」(同1359㌻、通解)
 今、世界各国から、我らの平和・文化・教育運動に最大級の賞讃が寄せられている。
 これらの栄誉は、創価の師弟が御聖訓の通りの大難と戦い、すべてを勝ち越えた証しなのである。
 〈池田名誉会長に贈られた、五大州からの4,000を超える顕彰は、文字通り、「世界第一」である〉
12  ともあれ、御聖訓には「難来るを以て安楽」との大信念で生き抜けと教えられている。
 戸田先生も、こう力強く叫ばれた。
 「難が来たら喜べ! その時が信心のしどころであり、宿命転換のチャンスなのだ。
 その嵐を乗り越えれば、永遠にわたる大福運をつかんでいけるのだ」
 経済の不況も深刻である。しかし、今こそ人間革命できるのだと大確信し、すべてを変毒為薬していっていただきたい。
 頑張ろう!
13  絶対勝利の題目
 大聖人は仰せである。
 「日月天の四天下をめぐり給うは仏法の力なり」と。
 地球が動いているのは、何の力によるのか──。その力を、究極の次元から説き明かしたのが仏法である。
 太陽や月が巡るのも、自然の力によるとか、いろいろな言い方があるだろうが、根本は、仏法の法則に則っている。大宇宙の天体が運行しゆく根源の力が、南無妙法蓮華経である。
 どれほど、すごい力であるか。我らは、この偉大なる妙法を持っている。最も正しく、最も力強い妙法の音律を唱えている。
 これほど強いものはないのだ。絶対勝利の唱題である。負けるわけがない。
 大聖人の仰せの通りに実践すれば、わが生命に満々たるエネルギーが湧いてくる。勇気が湧き上がってくる。
 我らは、一日また一日、一年また一年、妙法のリズムに則り、宇宙も全部、味方にしながら、一切を勝ち開いていこう!
14  自分が先頭に!
 戸田先生は遺言のように言われた。
 「青年部は、へこたれるな! うんと戦って、歴史を残せ!
 戦う精神なくして信心はない」
 青年ならば、自分の歴史を残すのだ。
 広宣流布のために、これほどまでに語ったことはないというくらい、人と会い、人と語り、心と心を通い合わせていくのだ。明るく伸び伸びと対話を重ねていくのだ。
 私も青年時代から、語りに語った。
 青年らしく、弟子らしく、広宣流布を語り、戸田先生を語り、多くの人に学会の理解を広げていった。
 誰よりも、自分が先頭に立って、語って、語って、語り抜いていく。そうすれば、もっともっと輝いて、魅力あふれるリーダーになっていくものだ。
 「率先の行動」なくして、勝利はない。「戦う精神」なくして、信心はない。
 何があっても、臆するな! 勇気をもって、前へ進むのだ。叫ぶのだ。思い切り戦って、勝利、勝利の歴史を残すのだ。
15  壁を破れ!
 戸田先生は、こうも叫ばれた。
 「わが青年部は、妙法蓮華経の偉大な力を持っているではないか。その青年部が立ち上がった以上、広宣流布の大革命ができないわけがない。
 世の中に、仏法の大確信を叫び抜いて、堂々と伝え切っていくのだ!」と。
 学会全体として、折伏がなかなか進まない状況にあったとき、戸田先生から「大作、頼む」と言われて、私は立ち上がった。
 当時、1カ月に100世帯前後が、支部の折伏成果の限界とされていた。そのなかで、私は蒲田支部の支部幹事として指揮を執り、月200世帯を突破する結果を出して、戸田先生にお応えした。
 文京支部の支部長代理の任命を受けたときは、誠実と団結のスクラムを築きながら、小さな文京支部を日本一へと押し上げた。
 先生は、「うれしいな。不思議だな。君はどんな指導をしているのか」「大作がいれば心配ないな」と、にっこりとされた。
 学会が勝って喜ばれる先生のお顔が、今も胸に鮮やかに残っている。
16  「絶対に勝てない」と言われた昭和31年(1956年)の大阪の戦い──。
 私は責任者として、関西の同志とともに戦った。当時の新聞が「“まさか”が実現」と大々的に報じたほどの劇的な勝利を飾ったことは、皆さんがご存じの通りだ。
 大阪の隅から隅まで、よく自転車で走った。よくパンクもした(笑い)。行くところ行くところで、対話の渦を巻き起こした。本当に大変だったが、本当に楽しかった。
17  関西に刻んだ不敗の誓い
 ただ一度だけ、昭和32年の大阪で、苦杯を喫した。
 このときの戸田先生の苦しみ、悲しみ、嘆きは、いかばかりであったか。とても言葉で言い表すことはできない。
 この時、私は誓った──「戦いは断じて勝たねばならない」と。
 その不敗の誓いがあったればこそ、今日の私があり、今日の学会の大発展がある。
 その深き歴史を皆さんは知っておいていただきたい。
18  学会は、広宣流布の団体である。ゆえに、広布に戦う人が一番尊いのである。
 組織であるから、役職とか立場の違いはあるけれども、大事なことは、どれだけ広布のために尽くしたかである。
 祈った分だけ、動いた分だけ、語った分だけ、御本尊から功徳がいただける。
 皆さんは、思う存分に広布に働いて、無量無辺の功徳を受け切っていってほしい。必ず受けられる。私が証人である。戦ってきたゆえに、私は、確信をもって言い切ることができる。
 ともあれ、今こそ、本当の戦う弟子が躍り出てきてもらいたい。それを青年部に期待したいのだ。
19  一念で決まる
 最後に、もう一度、勝利の要諦を確認しておきたい。
 アメリカの公民権運動の指導者キング博士は語った。
 「今まで以上に、立ち上がって、前進する気持ちになろうではないか。私たちの志を継続し、あらためてもっと大きな決意で立ち上がろうではないか」(クレイボーン・カーソン、クリス・シェパード編・梶原寿監訳『私には夢がある M・L・キング説教・講演集』新教出版社)
 大事なのは「今から」の決意だ。「これから」の行動だ。その連続闘争が、大きな歴史を築く原動力となる。
 私たちの信心は本因妙である。「今から」「これから」が勝負である。
 「何とかなるだろう」という油断や慢心は、結局、大きな敗北をもたらしてしまう。中心者が本当の真剣さを失い、「うまくやっていこう」「楽をしよう」などという気持ちを持つようになったら大変だ。
 50年以上、広宣流布のために戦い抜いてきた私である。
 戸田先生が「先を見る眼、行動力、鋭敏さは第一級だ」と讃えてくださった直弟子である。
 現実は決して生やさしいものではない。人まかせで、漫然と進めば、どうなるか。手に取るようにわかる。
 未来のため、若い人たちのため、多くの健気な同志のために、私は語っているのである。
 広宣流布のために真剣に戦えば、すべてが自身の福運となる。子孫末代まで、偉大な福徳に包まれていく。
20  永遠に成長し発展する学会を
 戸田先生は訴えられた。
 「時の到来とともに、戦いの雄叫びを上げて進むのだ!
 私とともに、あらゆる難に打ち勝って、一人ももれる事なく、出世の本懐を遂げていこうではないか!」
 誰一人、犠牲にはしない。また、絶対に、させてはならない。皆が、わが人生の大目的に向かって、敢然と前進していきたい。
 全リーダーが、心新たに出発することだ。
 戦おう! 民衆のために! 邪悪や傲慢をはねのけて!
 未来永遠にわたって、さらに成長し、さらに発展し、大勝利していける学会を、私は今、つくっている。どうか心を合わせて進んでもらいたい。
 言葉ではなく、大事なのは行動だ。生まれ変わった決意で戦うことだ。
 順調な時はいい。吹雪の時、逆境の時こそ耐え抜いて、友に勇気と希望を贈っていくのだ。
 そのための根本の力は信心しかない。
 師匠のために、わが身をなげうって悔いない覚悟で、私は一切を勝ち開いた。
 師弟不二の信心でしか、三類の強敵を打ち破ることはできない。
 この一点を忘れないでいただきたいのだ。
21  健康で、幸橿で!
 遠くから来られた同志の皆さん、本当にありがとう! お会いできてうれしいです。いつまでも、お元気で!
 私も妻も、一生懸命、皆さんにお題目を送っています。
 皆さんが健康で、幸福で、素晴らしい家庭を築かれゆくことを、そして皆さんの国や地域が平和であることを祈っています。1年365日、50年間、祈り続けています。
 海外の皆さんに、もう一度、拍手を送ろう! きょうは、ありがとう! サンキュー! よい一年を!

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