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新春代表協議会  

2007.1.2 スピーチ(聖教新聞2007年上)

前後
25  師弟の闘争からルネサンスが
 ヨーロッパの同志からも、新出発の躍動の報告が届いている。
 なかでもイタリアSGI(創価学会インタナショナル)の発展は目覚ましい。
 メンバーは皆、社会に深い信頼を広げており、私が全力で育成してきた青年たちが、立派な指導者に育っている。本当にうれしいことだ。
 イタリアといえば、かつて私は、世界最古の総合大学ボローニャ大学を訪れ、記念の講演を行った。忘れ得ぬ歴史である。〈1994年6月。同大学からの名誉博士号授与を記念して、「レオナルドの眼と人類の議会――国連の未来についての考察」と題して講演〉
 このボローニャ大学で学んだ一人が、14世紀の桂冠詩人ペトラルカであった。
 ペトラルカは綴った。
 「私は叫びつづける。平和、平和、平和」(前掲『ぺトラルカの生涯』)
 この桂冠詩人は、虚偽や凶悪や戦争で荒れ果てた「野獣性」の世界と決別し、平和な「人間性」の世界を構築することを目指した。
 そのために、「人間主義」にもとづく古典文学の研究と、新たな文学の創造に取り組んだ。後継の弟子たちも、師の起こした運動を、さらに拡大していった。
 その師弟の戦いが、あの絢爛たるルネサンスとして花開いたのである。
 ぺトラルカは述べている。
 「他人からうけた恩恵は絶対に忘れないことを率直に誇りとしている」(同)
 忘恩は、人間として最悪の罪である。
 仏典には、「重恩に違背する人間が、どうして永く苦海に沈まないことがあろうか(必ず沈むのである)」と述べられている。
 またベネズエラの格言には、「恩知らずで地獄はいっぱい」とあった(柴田武・谷川俊太郎・矢川澄子編『世界ことわざ大事典』大修館書店)。
 師匠や友人から受けた恩を忘れず、恩に報いていく――ここに人間としての正しい生き方の軌道がある。
26  「悪い人間は 叩き出せ!」
 さらに、ぺトラルカの言葉を贈りたい。
 学会は指導主義である。世界の知性の言葉を紹介するのも、そこから大切な何かを学び取っていただきたいからだ。
 「真実こそ馬上で勝ち誇り 嘘は大地に叩かれるがよい」(池田廉訳『カンツォニエーレ』名古屋大学出版会)
 嘘は必ずばれる。悪事は最後は暴かれる。また、そうしていかねばならない。
 彼は、こうも記している。
 「無知は魂の大きな貧困」(近藤恒一著『ぺトラルカ――生涯と文学』岩波書店)
 「誤った考えをいだくのは無知のしるしだが、誤ったことを厚かましく主張するのは、無知でしかも高慢であることのしるしだからね」(近藤恒一訳『わが秘密』岩波文庫)
 学会のおかげで偉くなりながら、学会を小バカにし、尊き学会員を見下すような人間は、絶対に許してはならない。
 傲慢な人間、悪い人間は叩き出せ!――これが戸田先生の教えであった。悪と戦う破折精神が学会精神なのである。
 ぺトラルカは、こうも綴っている。
 「われわれの語りかけによって人びとの心を、おおいに援け励ましうることは、疑う余地がない」(近藤恒一著『ペトラルカ研究』創文社)
 「声仏事を為す」である。
 温かな「声」で、友に励ましを贈る。確信の「声」で、同志に勇気を贈る―そのためにリーダーがいるのだ。
 また、ぺトラルカは記している。
 「道をいそぎ、うしろをふりかえらないことだ。過去のことは忘れ、将来のことを考えたまえ」(前掲『わが秘密』)
 何があっても、カラッと明るく、前へ、前へ! 前進することが重要である。明るいことが幸福である。
 過去がどうであろうが、人がどう言おうが、未来へ向かって朗らかに生き抜くことだ。その人が真実の勝利者なのである。
27  偉大な名指揮を
 最後に戸田先生の指導を紹介し、「前進・勝利の年」の最初のスピーチを結びたい。
 先生は言われた。
 「反応が早ければ、気持ちいいではないか。特に日本は、対応が遅いと、それだけで不誠実と思われてしまう。
 一流は、皆、迅速だ。一流は、賢い人生観を持っている」
 スピードが勝負だ。あいさつにしても、御礼にしても、連絡にしても、もたもたしていては、手遅れになってしまう。それでは敗北だ。
 打てば響くような迅速な反応――これが勝利の要諦である。
 先生は訴えておられた。
 「地涌の菩薩の我々は、断固として戦うのだ! 勝つのだ!」
 この言葉の通り、断固として勝利、勝利の1年を飾ってまいりたい。
 原田会長はじめ、各方面長、各婦人部長など、幹部の方々は、大切な会員の皆さまのために、素晴らしき指揮、指導を、心よりお願い申し上げます。
 この1年、皆さま方がご健康で、そして、勝利・完勝の無量の功徳輝く人生たれと、お祈り申し上げ、私の新年のあいさつとさせていただきます。
 今年も一緒に頑張ろう! きょうは本当にありがとう!

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