Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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盂蘭盆の意義を語る  

2006.8.6 スピーチ(聖教新聞2006年下)

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18  妙法の家族は永遠に一緒
 「愛別離苦」――愛する人との別れは、避けがたい人生の悲しみである。とりわけ、子に先立たれた親の悲しみほど、深いものはない。
 大聖人の御在世当時、子を失った夫妻がいた(松野六郎左衛門尉夫妻)。しかし夫妻は、悲しみから立ち上がり、わが子の死を契機に、深く信心に励んでいった。そのけなげな夫妻を讃えて大聖人は、渾身の励ましを綴っておられる。
 「ひとえに釈迦仏が、あなた方の身に入り替わられたのでしょうか。また、亡くなられたご子息が仏になられて、父母を仏道に導くために、あなた方の心に入り替わられたのでしょうか」
 「あなた方に、もしものことがあるならば、暗い闇夜に月が出るように、妙法蓮華経の五字が月となって現れ、あなた方の行く手を照らすでしょう。
 そして、その月の中には、釈迦仏・十方の諸仏はもとより、先立たれたご子息も現れて、あなた方を導いていかれることを確信してください」(御書1397㌻、通解)
 妙法で結ばれた家族は、生死を超えて一緒である。わが胸に脈動する仏の生命のなかに、亡き家族の生命も一体となって融合している。
 三世永遠に「常楽我浄の旅」を、共々に福徳の月光に照らされながら、希望へ希望へ、勝利へ勝利へと、必ず前進していくことができるのである。
19  求められる民衆の智慧
 かつて私が対談集を発刊した、故ブライアン・ウィルソン博士は世界的な宗教社会学者であられた。現代西洋社会と調和したSGIの魅力について、「寺院制度から解放された在家団体」であり、「生活に根ざした理念」を持っていることを強調されていた。
 また、対談を重ねてきた、ハーバード大学教授で著名な文化人類学者のヌール・ヤーマン博士は、こう讃えてくださっている。
 「学会の革新性は、僧侶ではなく一般の人々が、仏教の英知を実生活に生かしているところにあります。
 僧侶というものは、自らの宗教の“独自性”ばかりを強調します。」
 しかし、現実に生きる人々は、それを生活の“倫理”して普遍化していきます。そして、その普遍化された倫理が、宗教や文化が異なる人々をも啓発していくことができるのです」
 私たちの前進を、まことに深い観点から見つめてくださっている。
 〈ヤーマン博士は、続けてこう語っている。「その倫理性の模範を示すのが、池田SGI会長であります。池田会長は、世界の識者との対談を通し、世界の人々に啓発を与えておられます。それは世界への偉大なる貢献なのです」〉
20  ともあれ、これからは、今まで以上に、「権力のための宗教利用」の蠢動を厳格に見破る、「民衆の力」「民衆の智慧」が求められる時代となっていく。
 それが世界の潮流である。
 私たちは、この宗教改革と平和創造の最先端を、広々とした心で、聡明に、また快活に進んでまいりたい。
 まだまだ暑い日が続く。どうか体調にくれぐれも気をつけながら、有意義な「友好の夏」「対話の夏」「一歩成長の夏」にしていっていただきたい。

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