Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第1回和歌山県総会 宇宙本年のリズムに融合の人生を

1974.10.20 「池田大作講演集」第7巻

前後
5  和歌山の風土と県民性
 「若の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺をさして 鶴鳴き渡る」
 昔の紀北の地は、まさしくこういう美しい国土であったでありましょう。いまの文化人、そして詩人である佐藤春夫氏は、紀南の地をさして「空青し山青し海青し」とたたえております。まことにうらやましい和歌山県でございます。
 北部は、農業と商業が発達して、人の気質も関西風であり、人なつっこく、経済性にはひじょうに敏感な民族性でもあるといわれている。南武は孤立性の地形の山と海の世界であって、勇敢で進取の精神をもって漁業、林業の天地に生きてきた。それで、しぜんに理想主義的でもあり、反骨にも富んでいるといわれています。昔の紀国屋文左衛門や現在の“ナショナル”の創始者・松下幸之助氏をあげるまでもなく、実業界に人材の多かったのは当然として、本県は十九世紀初頭の“医聖”華岡青州をはじめ、多数の文化人等をも輩出しています。
 そうした人脈については、私よりも皆さん方のほうが、よくご承知のとおりでございます。
 これは名君・吉宗公の時代、室鳩巣をして「紀州の学問は諸国」と感嘆せしめた、その伝統のしからしむるところでありましょうか。とにかく、昔から文化の人材の山脈を連ねてきたのが本県であり、実業界から政界にいたるまで、多士済々であるのが目立っております。こうした立派な人材の地・和歌山に、人間主義、中道哲理の妙法の息吹が満ちみちてまいりますならば、更にどれほどの人材が輩出するかと、強く期待をよせるものであります。
 どうか、きょうここにお集まりの親愛なる和歌山の皆さん、広宣流布という「平和・文化運動」に更に励み、和歌山全県の繁栄におおいに尽力していってください。そして、よく戦ってこられた先輩の方々を大切にしてあげてください。
 終わりにさいし、会場を提供してくださた体育館当局に厚くお礼を申し上げ、県下全メンバーの方々のご多幸を、心よりお祈り申し上げまして、私の話を終わらせていただきます。ありがとうございました。(大拍手)

1
5