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日蓮大聖人・池田大作

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山梨広布20年記念総会 化儀の広布へ広布の作業

1974.10.13 「池田大作講演集」第7巻

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4  “常寂光土”の実現
 その大局観は、そのまま皆さん方の郷土・山梨をつくっていく社会運動、地域活動のなかにつうじていることも、知っていただきたいのであります。山梨の将来は、もちろん学会員の皆さん方だけでつくっていくものではありません。
 だが、県民全体の平和的な協力態勢の軸として、機能していく勢力は、私は皆さん方であると期待申し上げたいのであります。その居住の地域をつうじ、あるいは職場をつうじ、人と人との善意を結び合わせて、県下全体を、いわば“無組織の組織”とも表現すべき人間関係に仕上げていく原動力は、皆さんをおいて他には絶対にないと、私は確信しておきたいのであります。
 山梨県の立地条件というものは、昔から決して恵まれていたとは申せません。人口の総数は他県と比べて少なく、また昔から、水害との戦いをとおして不屈の根性を身につけてきた。勤勉で不退の独立精神に満ちた奮闘的性格は、実業界に幾多の人材を送り出したと評価されており、闊達な包容力には欠けるところがあるようですが、明朗にして剛健ともいわれております。「人は城人は石垣人は堀なさけは味方あだは敵」といわれる戦国時代の甲斐源氏の心意気というものは、これからの地域構築に、新世紀と新文化の装いを鮮やかにして、生命の息吹もみずみずしく、皆さんの異体同心のなかに生かされていくことを、私は期待します。
 ともあれ、国土は広いがゆえに尊いとはいえない。また、狭きがゆえに卑しいということも、絶対にない。「法妙なるが故に人貴し・人貴きが故に所尊し」――これが尊卑を立て分ける根本原理であります。世間でも「住めば都」というように申しますが、この居住の国土を、郷土を愛し、人間革命を行じ、人間性にあふれた社会を実現し、“住めば常寂光の都である”と誇りうる山梨を実現していただきたいのであります。
 きょうは、この席をお借りして、少々むずかしい話を申し上げましたが、長い将来のためと思って、どうかご理解いただきたいと思います。たまにしか当地に足を運ぶことかできませんが、心はつねにいっしょのつもりであります。また、できるだけ皆さん方と会う機会をつくる決心でもおります。県下全員の皆さん方のご健勝と子々孫々までのご多幸を、心からお祈り申し上げまして、私の話を終わらせていただきます。(大拍手)
 なお、会場を提供してくださった大学当局の皆さま方にも、厚く御礼申しあげます。ありがとうございました。(大拍手)

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