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日蓮大聖人・池田大作

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福井県幹部会 妙法で郷土の復興を

1973.6.5 「池田大作講演集」第5巻

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4  妙法の楽土を建設
 ルネサンスという話に関連して申し上げさせていただくならば、徳川の藩政時代の末期、福井地方は、なかなか進取的な、教育の伝統に輝いていたと聞いております。
 有名な「蘭学事始」の著者・杉田玄白は小浜藩の藩士であった。また福井藩は、橋本左内が藩校のなかに蘭学科を設けてその振興に努め、大野藩は一時は蘭学の中心地で何冊かの蘭学書を出版するなど、わが国における蘭学の一流レベルを維持した先進地域であったとうけたまわっております。
 ひるがえって、わが日本はいま、ある種の激動の時期に入りつつあります。入ったといってもさしつかえない。お先真っ暗の状況であるといっても過言ではない。こうしたときに、福井本来の伝統的精神がほうはいとして復活してきても少しも不思議ではありません。
 こういう激動の時代になりますと、ほんとうの力強い精神復興運動というものは、なにかしら退廃の影を背負いこんでしまった東京とか大阪のようなマンモス都市から起こるものではありません。むしろ、それらの運動をリードする先駆の力は、文明の腐敗に巻きこまれていない地方からこそ、起こってくるというのが、歴史の証明でありますけれども、皆さん方、いかがでしようか。(大拍手)
 このような観点から見直せば、福井県という国土世間は、なかなか魅力のある、潜在力を秘めた、また未来性のある郷土であると信じたい。皆さん方は、自分の郷土におおいに将来性を見いだしてください。そして、過ぎ去った過去の″仏教王国″なるものを、新しき真実の"仏教王国”に昇華させ、妙法の″人間王国”につくりなおしていっていただきたいのであります。ゆえに生命哲学の運動も忘れないでいただきたいと思います。
 なお、六千人の皆さん方が唱題に唱題を重ねて、生命力を若々しく湧現させ、功徳をうけてうけてうけぬいていただき、将来は全員が海外旅行もし、私と一緒に世界平和のために活躍していっていただきたいことも、お願い申し上げます。
 ともあれ、先駆的な偉大な宗教運動には、また偉大なる革命をしていく人には、必ず批判、中傷というものがある。したがって、一時のよしあしに紛動されず、一生涯という長い尺度で人生をみ、信心の勝敗を見極めていくという、本格的な仏法実証の信仰者になっていただきたい。また人間革命者になっていただきたいのであります。
 どうか、福井の皆さん方は自他彼此の差別なく、仲良く団結していってください。そして、人生の総仕上げのために“これでよし”という悔いのない人生の勝利をつかむために、日々、一歩一歩、足元から固めて、険路を踏破していっていただきたいのであります。明るく、健康で、功徳に満ちみちて、再び私といっしょに広宣流布の旅路を進んでいってくださるようお願いいたします。(大拍手)
 遠くから車でこられた方々は、十分に注意してお帰りになってください。また、会場設営の方々にも厚く御礼を申し上げて、私の話を終わらせていただきます。では、皆さんお元気で。(大拍手)

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