Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第1回全国鳳雛会 人間建設の道を不退の信念で

1973.5.3 「池田大作講演集」第5巻

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5  研鑚、努力の求道者たれ
 正法年間、像法年間までは結局、仏法は貴族と知識階級の独占物でありました。しかし大聖人の仏法はそうではない。下根を正意として、一文不通の凡夫を対告衆となし、そのままに下種から得道へと導き入れる不思議な仏法であります。
 元来は、そういう根底仏法なのでありますが、機根は本未有善のままながら、七百年を経過して、世相のほうは、すっかり進化いたしました。世界全体はともあれ、先進国化した日本においては、九割もの生徒が高校へ進み、ついで大学へ行く。これは一億総二乗化ともいうべき現象であります。
 日本人の場合、無学、一文不通ということはなくなった。そして、諸君もまた最高学府で学業に取り組んでいる人もいるわけであります。ゆえに、ほんとうの学問を身につけなければ、ただ四年間、親のスネをかじっただけになってしまった、ということになり、じつにわびしい。なかには、アルバイトでやっているという人もいるかもしれませんが、これもまた同じ意味であります。ただ、漫然と四年間を過ごすだけであってはいけないと、私は思う。
 だからといって、全員が優秀な成績で大学を卒業しなさいというのではない。真の学問は人と比べて優劣をみるためにしているのではないと、はっきり心を決めていくべきであると、私は考える。
 一つにはわが身のために、一つには広宣流布のために――広宣流布のためということは社会全般に通ずる意味でありますが――そのためにはいまの自分にはこの点がかけている。そこをなんとか会得してみよう、してみせるぞ、というような学問の基本になるところ、つまりポイント、基礎を重点的に勉強していくことも、大切な姿勢ではないかと思うのであります。あと肉づけは一生涯、徐々に、たゆまずコツコツと積み重ねていくものではないかとも考えるのであります。
 新幹線の超特急ひかり号も大阪へ着く。東海道線の急行も大阪へ着く。かつては夜行の鈍行だって、ちゃんと大阪へ着いておりました。
 この粘りこそ大切であるということであります。一生成仏、所願満足、または霊山浄土という都の終着駅、自分としてはこの社会へ出て貢献していく、これでよしという終着駅をめざして、そこへ着かんがための努力をしていく。それが本因の姿勢というものであります。学業を修めるのも、その一環であるということを自覚していただきたいのであります。この自覚と努力により、広宣流布に役立つ学問が身にそなわるということを、確信していただければ幸いであります。
6  色心連持でつねに挑戦を
 諸君は一生涯、建設者の道を貫いていただきたいことを重ねて強調しておきたい。建設には、革命には、我慢の二字が不可欠であるということも知っていただきたい。
 同時に、万人に卓越した求道者であっていただきたい、ということであります。あの人は退転した、あの人は他へ行ってしまったというようなことがあったとしても、あらゆる社会の人たち、後世の人類が、あれほどの求道者は見たことがないと尊敬し、鑑とするような人になっていただきたいのであります。(大拍手)
 釈尊の仏法も、日蓮大聖人の仏法も、建設的、求道の若人が仏のまわりに結集し、団結することによって樹立されたことは、すでにさまざまな機会をとおしてお話ししたとおりであります。諸君が異体同心で戦い、生涯、その同心の団結を固めぬいていけば、学会も二十一世紀も、絶対安心であると、私は思っております。
 おそらくは、万事、それによって勝負が決まるといわざるをえない。最後の勝負を決する鍵は、いつに鳳雛会のこのメンバーにかかっていると、私は遺言しておきたい。色心連持――心法はそのように固く、色法つまり行動は自ら選びとった分野へ敢然として執念をもって挑戦しぬく。そして、そこで勝ってもらいたい。
 早く偉くなろうとか、早く人の上に出ようとかしたらば、もう失敗であります。四十歳前は下積みが当然であると心得て、途中で挫折し、行き詰まることのないよう留意してほしい。
 健全なる精神にもとづいて、頑健なる体力を養って、師子の子として、やがてたくましく大師子王に育ってもらいたい、と心の底から申し上げて、本日の私の話を終わるしだいであります。(大拍手)
 どうか、いつまでもいつまでも、お元気であってください。(大拍手)

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