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日蓮大聖人・池田大作

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第6回高等部総会 すすんで信行学を

1973.8.6 「池田大作講演集」第5巻

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5  すすんで訓練をうけよう
 第四に「すすんで訓練をうけよう」と申し上げたいのであります。現在、諸君は両親の保護のもとで生活している。だが、ちょうどいまから“自我”といって、独立した自分自身の精神がめざめ、働きだしてくる。いわば、いままでうけてきた保護の力から抜け出して、精神が独り歩きを始めようとするのが、青春時代であり、なかんずく高校時代である。反抗期といわれる現象も、その一つのあらわれにすぎない。
 未知の世界へ飛びこんで、なんでもかんでも自分で味わってみようとする。そこに頼もしさもあれば、あぶなさもある。また、感情も大きく揺れて動いていく。そして、夢も期待も不安も大きくわきでてくる時代である。その時期を通って、大人になっていくのであり、そうした現象は、必然的な現象であってやむをえないと思う。
 しかし、家庭では両親の、学校では教師の、学会では先輩のいうことをかみしめ、聞き分ける能力、注意力、吸収力を失ったら失敗すると申し上げておきたい。それが、どんな形で出てくるかは、一概にはいえないが、総じていえば、“人格の曲がり”という形をとって表れてしまう場合が多い。
 平均して十九歳で身体的に完成するから、この年代で“人格の曲がり”が身についてしまうと、その後は人間革命といっても、なかなか容易ではない。
 諸君の先輩である人たちのなかにも、“あの人が信仰者なのだろうか”と思われる人が、たまにいると思うが、それは二十代までの大きな習性的になっている“人格の曲がり”が、なかなか直らないためであろう。
 諸君の時代に人格をみがきぬいた場合、それは生涯の財産となる。両者の差は、四十代を超えてから、決定的なものとして表れるはずであろう。いまこそ自己の一生を大きく左右する“人格の骨組み”をつくる時代なのである。
 しかも“人格の骨組み”をつくるのは、両親や教師の責任というより、自分自身の責任に属する部分が、大半を占める。したがって、どうか諸君は、賢明な高校生になって、信心の分野ですすんで訓練をうけ、この高等部時代の訓練をとおして、精神の独立、自立へと進んでいくよう、お勧め申し上げるものであります。
 すなわち、すすんで信・行・学の訓練をうけることは、とりもなおさず“未来の宝”を手に入れるようなものであると申し上げたい。
 どうか、その意味においてぞんぶんに、高等部時代の訓練をとおして、精神の滋養を、未来の自分自身のために吸収していただきたい。
6  万事、若人らしくいこう
 最後に「万事、若人らしくいこう」と申し上げておきたい。皆さん方高等部員は、世界の高校生のなかでもっとも若人らしい存在であり、また、最高に模範的な先駆をきっていることを確信してほしい。
 最近は、部屋に閉じこもって、なかなか外に出ない男子高校生が増えているようである。また、女子高校生のなかには、駅のロッカーへ着替えを入れておいて、学校がおわると制服を着替え、遊び歩く生徒が増えているようである。いつの時代にも、はみ出す生徒や、社会からはみ出す人間が何パーセントかいるようでありますが、私はいま、そのこと自体を論じようとするのではありません。
 わたしが述べたい点は、閉じこもる男子、着替えして遊び歩く女子は、どちらも若人らしくない、ということである。
 男子の場合、高校二年のころから、大学入試の準備に入るから、どうしても机の前に座る時間が多くなる。それがこうじて“閉じこもり”が週間になってしまったのでは、なんとも若人らしくない、と思う。また着替えて遊び歩く女子高校生は、こざかしい女性であって、行動が卑屈で、若人らしくない。
 いまあげた二つは、ほんの一例であるが、高等部諸君は、万事について、若人らしく行動していっていただきたい。はつらつと、闊達に、生きいきとした態度で、高等部の三年間を過ごしきっていただきたいのであります。(大拍手)
 御書には「此の法華経には我等が身をば法身如来・我等が心をば報身如来・我等がふるまひをば応身如来と説かれて候へば、此の経の一句一偈を持ち信ずる人は皆此の功徳をそなへ候」とある。
 振る舞い、行動が、応身如来という妙法の原理に照らしてみれば、閉じこもりや着替えの例は、どうみても如来の所作とはいえず、如来を顕現していく仏法から、いかにほど遠い振る舞いであるかが、すぐわかると思う。
 諸君は、もう自分で分別をつけようと思えばできる年代であり、まして諸君は妙法の健児であり、仏の子である。人間建設の信仰を知らない高校生たちが陥っている弱点を、克服できる使命の人であると信頼しております。
 どうか、万事、学会っ子らしく、高等部員らしく、若人らしく振る舞いを、これからもつらぬくよう、お願い申し上げるしだいであります。(拍手)
 一万人の諸君の幸せと未来の栄光を、心から祈って、私の話を終わります。(大拍手)

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