Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

男子部夏季講習会 一切の環境が人間建設の場

1972.8.2 「池田大作講演集」第4巻

前後
4  仕事に取り組む姿勢
 次に、諸君はいま、さまざまな境遇で、さまざまな職業にたずさわっておられることと思う。このなかには、ばい煙のたちさめる町工場で戦っている人もいるかもしれない。また、終日営業の会社で、夜遅くまで残業につぐ残業で疲れている人もいるでしょう。そして、同輩や後輩が、楽しげに学会活動に励んでいるあいだ、じっと仕事に取り組んでいる人もいるにちがいない。私は諸君のその気持ち、心教をよく知っているつもりであります。私自身も青年時代、仕事で苦闘した体験をもっているからであります。
 しかし、私が申し上げたいのは、その日々の職場での戦いは、決してムダではない。いな、そこで信心根本に、忍耐強く戦っていった人は、必ず未来に大きな自分自身の財産、力を築いていくことは間違いないと申し上げておてたい。青年時代の苦難は、その人をみがき、強くし、より大きくするための試練であり、栄養剤である。その意味において、つらさに耐え、苦闘に挑戦する。その根底の心のなかでは、十年先、二十年先の自分を見ろ!と悔し涙で題目をあげながら、がんばりぬいてほしいというのが、弟とも思う諸君に対する兄である私の励ましであります。(大拍手)
 また、幹部になって、なおかつ厳しい仕事の状況にいる人もいるかもしれない。そのため、人一倍、仕事と学会活動の両立ということで、悩んでいる人も少なくないでしょう。私が申し上げたいのは、広宣流布という崇高な作業は、決して短兵急な戦ではない。全民衆を道理、実証のうえで、心の奥底から納得させ、理解させていく雄大な長期戦が広宣流布の戦いであります。その過程においては、さまざまな峠も谷も山脈も横たわっている。
 したがって、その長い試練の坂を登りつめていく諸君一人ひとりは、妙法によってみがかれた人間性と大御本尊の功徳の実証を、広く示していかなければならないのであります。すなわち、一人ひとりが成長し、力をもたなくてはならない。更に最高の人生観にたって生きがいを感じ、生活、家庭にも所願満足の見事な花を咲かせていくなかに、広宣流布の実義があるといってよい。その一環として、自己の仕事に対しては真剣に取り組み、そこになんらかの生きがい、意義を見いだしてほしいし、その努力をしていただきたいのであります。
 また、現在の仕事に不満の人もいることと思うが、信仰をたもった人らしい、青年らしい、自分自身との挑戦の姿だけは、失わないでほしい。それが、偉大な目的につながっているということを確信し、価値創造していってほしい。
 とともに、どのように仕事に追われていても、自分の生まれてきた目的、使命を、決して失ってはならないということであります。それを失って、どうなに仕事にうちこみ、第一人者となったとしても、いつかは崩れてしまう根無し草のようなものであります。
 それゆえ、仕事に忙殺されてしまうようなことがあったとしても、自らの求道の姿勢は、断じて貫いていく気概をもち、寸暇を惜しんで、活動の時間を価値的に、そして聡明に、工夫し、つくっていく努力も忘れないでほしい。
 最後に、二年後の昭和四十九年には、再び元気な姿で一人ももれなくつどいあえることをお祈り申し上げ、私の激励といたします。(大拍手)

1
4