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日蓮大聖人・池田大作

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学生部・男子部夏季講習会 宗教は人間広場のオアシス

1972.7.31 「池田大作講演集」第4巻

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4  人生の土台を強固に
 次に、いつも申し上げるとおり、青年期にある諸君は、いまは人生、人間構築の土台、基礎を、深く堅固に築く時代であります。その基礎を仕上げるにあたっては、きわめて地道で、作業服を身にまとっての、泥と汗の激闘が続くといってよい。たとえていえば、どのように堅固なコンクリートであっても、最初は砂利からつくられていくようなものであります。あかあかとした溶鉱炉の中で溶かされた鉄は、鍛えに鍛えぬかれて強固な鉄骨に組み立てられるのであります。大変な境遇にある人は、このことを忘れないでいただきたい。
 ともかく、青年時代は自らの輝かしい未来のために、あえて泥まみれ、汗まみれの実践を自らが強行して、崩れざる人間の芯、背骨を確立していくことが大事であります。その芯があれば、年月の経過とともに、また社会の風波にみがかれて、具体的な結果がおのずから現れてくることは間違いない。いわんや信仰の原理において、この道理は明確であります。ゆえに、いかなるつらいことがあっても、歯を食いしばって、忍耐強く、しかも悠々と、目標の山に向かって進んでいってほしい。
 また、諸君の前途には、途中で挫折してしまうようなことがあるかもしれない。その内容も多種多様でありましょう。しかし、いかなることがあっても、ただ一点、胸中に変わらざる不退の信念――学会精神、信仰が脈打っていれば、決してその挫折は、挫折のみでは終わらないであろうと、私はいっておきたい。五十代、六十代になってからでも、その挫折を変毒為薬した、見事な実証を示していけることを、胸の奥深く銘記しておいていただきたいのであります。(拍手)
 かのイギリス、そしてフランスの栄光を、命運かけて守りぬいたチャーチル、ドゴールにしても、青年時代は幾度もの挫折を味わっており、決して恵まれたコースのみを歩いたわけではない。このことはよく知られていることであります。
5  広宣流布へ堅忍不抜の精神
 チャーチルを例にとれば、学生時代はむしろ勉強が苦手で、劣等生であったといわれている。しかし、その堅忍不抜にして、どのようなことがあっても進むという勇敢なる闘魂、不退の正義感に支えられて、第二次大戦では、陥落寸前の祖国イギリスを、英国国民とともに死守したといわれているのであります。
 また、パリの凱旋門を民衆の歓呼をうけて行進したドゴールは、第二次大戦で一時、ロンドンに逃げていた、その過程では、さまざまな試練と挫折が連続していたといえましょう。しかし、ドゴールの信念はいかなる厳しいときも決してゆるまず、フランスは自分を待っているとひそかに確信していた。そして、自己の描く構想の実現へ時代の動向をみつつ、あるときは止まり、あるときは進み、一歩一歩、着実に推し進めていったというのであります。
 このように人生とは、大なり小なり、ある意味では挫折、浮沈の反復であるかもしれない。だが、諸君たちは妙法という普遍的な人生の指標をもっている。広宣流布への勇敢にして堅忍不抜の精神と、強固な信仰があるならば、一念三千の理法で、最後には必ず勝利の凱歌をあげ、自らが充実した笑みを浮かべることができるということを、私は強く訴えたい。
 どうか、いまはいかなる境遇にあったとしても、諸君は人間最後の勝利と栄光の旗を、必ず振るということを確信して、日々の現実に挑戦していっていただきたいことをお願いし、私の話を終わります。(大拍手)

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