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日蓮大聖人・池田大作

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第5回高等部総会 学会っ子の信念貫き社会に貢献

1972.8.6 「池田大作講演集」第4巻

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5  未来に備え頑健な身体を
 最後に、健康のことについて申し上げておきたい。長い人生の道程にあって、健康であることはきわめて重要であります。体が頑健でなければ、自己の能力を最大限に発揮することもできない。また、社会や人類のために力強い貢献をすることも不可能となる。いかに優秀な才能に恵まれていたとしても、その力を埋没させてしまったのでは、諸君の勉学も貴重な体験も、すべてが空しいものとなってしまう。
 歴史に偉大な足跡を残している先人のなかには、病苦と戦いつつ、それを成長の糧とさえして人類に貢献した人も、いるにはいる。しかし、それらの人のなかには、数々の業績を残しながらも苦死にしたり、苦悶のまま一生を終えた人も少なくありません。また、体が虚弱な人は、そのゆえに性格にゆがみを生じたり、考え方が偏頗なものになりがちであります。
 「健全なる精神は健全なる身体に宿る」との有名な言葉がある。一応、至言であると私も思う。はつらつと生命力旺盛な身体を基盤にして、はじめて自由闊達な精神の働きも生まれるという意味であります。健全な肉体をもとに偉大な精神の光を投げかけた人々は、枚挙にいとまがありません。
 アフリカに一生を捧げたあのシュバイツァーも頑健な身体の持ち主であったといわれる。そして、科学の世界では二大巨人とされるニュートンやアインシュタインも、ともに天寿を全うしている。トインビー博士が、高齢の身でありながら、いまなお創造的な仕事を成し遂げられているのも、青年と時代に健康をつちかっておいたゆえと思う。
 仏法では、色心連持と説いております。健全な肉体と精神がともに躍動し、輝き、生の歓喜をうたいあげてこそ、青年らしい希望の人生といえるのであります。人間の精神的な成長には、年齢の限界はない。当人の努力しだいで、死ぬまで成長しつづけることができるといわれている。また、そうであってこそ真に偉大な人間ということができるでありましょう。
 その人間の一生のなかでも、一五、六歳から二十歳前後にいたる青春時代が、もっとも大切な時期であります。人間の成長年代からいっても、たくましい肉体をつくりあげる最後の時期とさえいわれている。ともに、大きくは人生の基盤の完成期であることは間違いない。この間に築きえたものが、その人の一生を決定するといっても過言ではありません。
 どうか若い肉体をスポーツなどを通じて自ら鍛え、生涯の風雪に耐えぬけるだけの頑健な生命を諸君のものにしていただきたい、ということを心から切望して、私の話を終わります。(大拍手)

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