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日蓮大聖人・池田大作

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乱世に光放つ鼓笛隊  

「池田大作講演集」第3巻

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2  五月三日は、鼓笛祭――。
 数千の名士が、日本武道館に、自らすすんで鑑賞したいと希望していると聞く。いよいよ、世界の鼓笛隊が、文化大運動の晴れの檜舞台に出場する記念の日でもある。世界文化の使者としての、君達の幸福と成功を祈ってやまない。
 各地の文化祭で、圧倒的な人気のある鼓笛隊の誕生は、昭和三十一年七月二十二日であった。その時の隊員、わずか三十三名。今は、全世界、約二万二千名に成長。このなかより、どれほどの広布の女性リーダーが輩出していったか、その実績は、誰もが賛嘆するところであろう。
 この、誕生の日の中心指揮者は、Hさんであった。今は、ある芸術家と結婚して、幸福な生活を送っている。そして、鼓笛隊の育ての親として、今なお、愛情を込めて、その成長を見守っていることに、私は感謝の言葉を送りたい。
 鼓笛隊の練習場に、かつて、伸一は、幾度も応援に行った。名もなき、庶民の一家庭の妹達は、何の屈託もなく、若鮎の如く、はしやぎ、すくすくと、人間的にも、技術的にも成長していった。
 真の人間としての、また青春としての勝利の道を、けなげに進んだのは、彼女達である。学校の合い間、職場の合い間を縫っての、厳しい自己の修練の姿に、父兄が喜び、暖かいまなざしを送ってくれたのは、何よりも嬉しかった。
3  正月の休日のある日――。法悟空は、青年部幹部とともに、ある会場へ向かった。寒い日の夕方であった。車で明治公園のを通り過ぎようとすると、数十名の普段着の乙女らが、姉妹の如く、仲良く、何かしていた。
 法悟空は、二人の青年幹部にいった。
 「ことによると、鼓笛隊の人達かもしれない」
 「いや、違うでしよう」
 それでも、法悟空は気にかかった。
 「会場に着いてから、確かめてくれ。もし違えば、それでいい。しかし、そうであったならば、お菓子でも買って、差し上げてくれ。確かめなければ気がすまない」
 会合が終わって、うけた報告は、まさしく鼓笛隊であった。
  はつらつと 乱世に光 鼓笛隊
  鼓當隊 乙女の乱舞に 幸の歴史みち

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