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日蓮大聖人・池田大作

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第33回本部総会 人開勝利の大文化めざして

1970.5.3 「池田大作講演集」第3巻

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23  教育、文化で人類に貢献
 その観点から、今後の創価学会のビジョンとして、人間生命の躍動を根底とする新しい文化の創造と、次代の人間形成をもたらす教育事業とを宣揚していきたいと思うのであります。
 民音の音楽活動、芸術部の行っている芸術活動等々、第三文明建設の前途は多岐にわたっております。それらはもちろん、私どもが母体として支え、応援はしていきますが、できあがり、独立して社会に定着すれば、一切、専門の団体に任せていくという方程式でまいりたいと思うのであります。
 かくして、創価学会は、人間生命の開拓による英知の文化、創造の文化、すなわち、創価文化ともいうべき、新しい文化の母体として、社会に貢献してまいろうではありませんか。
 学術部門においては、四十六年に創価大学が開学の運びとなります。現代文明への反省から、すでに学問の世界においても、これからの時代には、人間性への根底的な問いかけから出発した、まったく新しい学問体系の樹立が必要であるといわれるようになっております。
 これは、昨年の総会で申し上げた創価大学の三つのモットー、すなわち、第一に人間教育の最高学府たれ、第二に新しき大文化建設の揺籃たれ、第三に人類の平和を守るフォートレス(要塞)たれ、に要約されると思うのであります。
 考えてみれば、膨大なテーマでありますが、この新しい学問のあり方にどう応えていくかが、創価大学の究極の使命であり、責任となろうと申し上げたいのであります。
 ご承知のごとく、来年開講になるのは経済学部、法学部、文学部の文科系のみで、理工系の開講は段階的に実現していくことになるでありましょう。
 おそらく全学部がそろい、総合大学としての姿を整えるには、少なくとも、最低十年ぐらいかかると考えてよい。図書館や種々の研究設備も、大学となれば、立派なものにしなくてはなりません。やがてシルクロードの調査なども行うようになりましょう。
 ところでこうした教育、文化の推進は、決して創価学会の宣伝のためであってはなりません。あくまでも、社会のため、人類文明のために貢献していくことが元意であることを、私どもの基本姿勢として確認しておきたいのであります。
 したがって、この教育、文化の活動は、いかなる外部の世界とも、その理想を一つにするところに対してはすすんで協力し、協調していくべきであります。たとえば、その一例として、現在、文部省、外務省で「国連大学」の構想がつくられておりますが、新しい学問の発展のために、また日本が教育で世界に貢献するということからも、私も大賛成であります。そうした事業については、心から賛同もし、協力もしていきたいと思うものであります。
24  いよいよ高まる広布の時運
 最後に、私どもの真実の叫びが、やがて世界に響き渡ることを信じつつ、光輝につつまれた生涯の思い出の日々をともどもに進んでいきたいと、念願するものであります。
 選時抄にいわく「夫れ仏法を学せん法は必ず先づ時をならうべし
 上野殿御返事にいわく「一切の事は時による事に候か、春は花・秋は月と申す事も時なり
 妙密上人御消息にいわく「上一人より下万民に至るまで法華経の神力品の如く一同に南無妙法蓮華経と唱へ給ふ事もやあらんずらん、木はしづかならんと思へども風やまず・春を留んと思へども夏となる」云云と。
 時ほど偉大なものはない。時にかなうほど力強いことははない。時は宇宙生命の大リズムであるようにも思える。正本堂建立、広宣流布への時運は、いよいよ高まり、未曾有の壮大な生命と、宇宙の儀式が展開されることは必定であります。 
 日達上人猊下のご清穆せいぼくと宗門の限りなき繁栄を祈願しつつ、また皆さま方のご健勝と、前途がますます栄光の道に輝くことをお祈り申し上げ、私の講演を終わらせていただきます。(大拍手)

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