Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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人間蘇生の宗教運動  

「池田大作講演集」第2巻

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5  日蓮大聖人の三大秘法の御本尊、南無妙法蓮華経は、末法万年に輝く大哲学であります。そしてまた、人類を救うという大宣言であります。大聖人の「今者已満足」――すでに満足する、ということは、建長五年四月二十八日の立宗宣言をいいます。それが日蓮大聖人の「今者已満足」であり、仏としての最高の満足であるという宣言であります。
 「妙法の大良薬を以て一切衆生の無明の大病を治せん事疑い無きなり」――根本的には個人の大病を治し、普遍的には社会の大病を救いきっていく働きであります。これは社会全般にわたるものであり、社会革命、文化革命と進行します。自分を改革することは自転、社会を改革していくことは公転です。自転の個人生活と公転の社会生活との調和がとれ、ともに将来の幸福と繁栄を目指して前進していくというのが本来の正しい姿であります。自分が幸せになろうと努力しても、世の中が乱れていれば、本当の幸せはつかめません。依正不ニの原理から照らせば、やはり不幸であります。
 「無明の大病を治せん事疑い無きなり」と仰せであり、個人も社会も、ともに妙法の大良薬によって変革されていくことは、絶対に間違いありません。
 「此れを思い遺る時んば満足なり満足とは成仏と云う事なり」――我々の立ち場に立って満足というのは、日蓮大聖人の御遺命、御金言をにせず、大聖人のお言葉をそのまま実践していくことが最高の満足であり、それが成仏につながっているのです。
 題目をあげ、化儀の広宣流布実現を目指して実践していくことが最高の満足であります。
 食事をしたという満足、ほしかった靴を買ったという満足等々、日常生活には、いろいろな満足がありますけれども、一切のものを包含した、最高の満足は、結局は大聖人のお言葉通りに信心・実践を貫くことであります。それが即成仏につながる――こう仰せであります。
 日蓮大聖人の言葉にはうそはありません。大聖人は末法万年尽未来際にわたる全人類救済のただ一人の仏です。その教えの通りに実践していけば必ず幸福になっていくのです。
 しかしながら、私達が心すべきことは、前進が激しくなればなるほど、勢力が伸びれば伸びるほど、魔も競い起こるということです。「行解既に勤めぬれば三障四魔紛然として競い起る」との御金言の通り、魔が現われてこそ私どもの信心・実践が本物である証拠なのです。その魔を魔と見破っていけば、魔の力、働きは私達の前進にとって、むしろ追い風となってひとつの大きな加速度となる。しかし所詮、魔は打ち破らなくてはならない。さもなければ、どこに冥伏したかわからなくなってしまいます。一直線にスクラムを組んで、大聖人のお言葉通りに進んでいきましょう。

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