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第2回高等部総会 胸奥の英知輝かし真の学問を啓発

1959.8.15 「池田大作講演集」第2巻

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7  「原水爆反対全国高校連盟」の結成準備を提案
 本日は戦後二十四回目の終戦記念日であります。周知のように、この八月は、二十四年前、広島と長崎に原子爆弾が投下された、永遠に記憶さるべき月であります。
 当時、諸君達はまだ生まれていなかったけれども、幾十万の同胞を無残に失ったこの冷厳なる事実は、日本民族として、絶対に忘れてはならない。これこそ、平和を願う人類の一人としての責任であり、使命であることを、あわせて訴えておきたい。
 その後、軍事科学の発達は著しく進み、当時の原爆の何千倍もの威力をもつ恐るべき水素爆弾を生み出している。そして何十遍も何百遍にもわたって人類を減亡させていくにたる破壊力をもっております。人類の前途には、恐るべき落とし穴が待ち構えているといっても過言ではない。二十一世紀は、一面からいえば、かつてない暗黒の世紀ともいえましょう。
 今、私は、この八月の、しかも終戦記念日のきよう、未来を担う諸君を前に、かつて昭和三十二年、戸田前会長が当時の青年部を前にして言明された原水爆宣言を思い出すのであります。
 原水爆のを叫ばれ、人類の生存権をすサタン、悪魔との戦いを宣言された恩師の”いやしくも我が弟子であるならば、この声明を継いでゆけ”との遺言は、今もって、私のこの脳裏に鮮烈に焼きついている。
 故に私は、私の最も期待し、信頼している高等部の諸君に、この恩師の声明の精神を受け継いでいただきたいと思うのであります。(拍手)
 創価学会は、平和主義であります。しかし、それは世に流布しているムード的な平和主義でもなければ、まやかしの平和主義でも絶対にない。仏法の、生命の尊厳の哲理に立脚し、人間生命のなかにひそむ悪魔と対決する”戦う平和主義”が創価学会ではないでしょうか。(大拍手)
 そこで、これはあくまでも提案でありますが、学会の後継者たる高等部の諸君達が中枢となって、「原水爆反対全国高校連盟」を結成し、全国の志を同じくするあらゆる高校生を包含して、決して焦らず、地道に大平和運動を展開していってはどうかと提案するものであります。(大拍手)なお、これをどう運用していくかは一切、高等部の諸君にお任せします。
 これまで、原水爆反対の運動は、さまざまに繰り広げられてまいりましたが、全て醜い政争の具となり、大衆から遊離して、いたずらに四分五裂してしまっているのが現状であります。
 戸田前会長も、これらの運動の奥に悪魔のツメが隠されていることを早くから見抜かれておられた。おとなは利用主義でずるく、また戦争になったときに、真つ先に犠牲になるのは青年諸君であります。
 私は、諸君達ヤングパワーが、その清純な心と、純粋な一念、更に未来に生きゆく責任感とを結集して立ち上がった時こそ、真実の平和運動が展開されると確信するのであります。(大拍手)
 二十一世紀に生きゆく諸君ら自身の世界のためにも、戦争を起こさせては断じてならない。原爆なんか絶対に落とさせてはならない。そのため、今度は諸君らの後輩の中等部、少年部のために、この原水爆絶対反対の純粋なるタイマツを伝えきっていってほしいのであります。(大拍手)
 私は平凡な一青年にすぎない。決して私を偉いと思ってはいけない。未来の学会は、高等部出身の諸君に一切お願いする以外にない。故に、諸君の健康と成長と栄光ある未来を心よりお祈り中し上げ、私の話といたします。(大拍手)

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