Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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1968.4.24 「池田大作講演集」第1巻

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10  広宣流布は一人一人の生きた人間革命の集積
 最後に持妙法華問答抄の一節を引いてお話し申し上げたい。いわく、「つらつら世間を見るに法をば貴しと申せども其の人をば万人是をにくむ汝能く能く法の源に迷へりいかにと云うに一切の草木は地より出生せり、是を以て思うに一切の仏法も又人によりて弘まるべし之に依つて天台は仏世すら猶人を以て法を顕はす末代いづくんぞ法は貴けれども人は賤しと云はんやとこそ釈して御坐おわし候へ、されば持たるる法だに第一ならば持つ人随つて第一なるべし」と。
 これは、法、すなわち仏法がいかに偉大であるといっても、所詮は人によって実証され、人によって顕揚されていくことを説かれた御文です。
 「倩ら世間を見るに法をば貴しと申せども其の人をば万人是を悪む汝能く能く法の源に迷へり」――世間の人々は、仏法が尊いということは、おぼろげながらも感じている。しかし、この尊い法を弘める人に対しては、反対に憎み、批判してくる。これは、皆さん方も、すでに体験されて、ご存知と思います。
 力のない宗教では、それ自体に作用がないため、このような反作用もありません。だが、大聖人は、こうした憎しみや批判は、結局、尊い「法」の根源が「人」であるということを知らない迷妄もからくるものであると仰せなのであります。
 法本尊を説いている観心本尊抄も、せんじつめると、日蓮大聖人という「人」にきてしまう。すなわち、法といえども、結局は人なのです。
 「何にと云うに一切の草木は地より出生せり、是を以て思うに一切の仏法も又人によりて弘まるべし」――ここが大事なところです。一切の草木が、大地より出生するごとく、一切の仏法もまた人によって弘まるのであるとの仰せであります。一切の功徳の源泉は、八万法蔵の根本極理たる大御本尊であられる。だがその偉大な功力を現実にあらわしていくという立ち場に立った場合には、人が根本となる。人を大地にたとえるならば、大御本尊の功徳は、そのうえに競い咲く草木という関係になるのであります。したがって、皆さん方の立ち場は本当に大事であり、皆さん方を誹謗すれば厳罰・仏罰があるのは当然です。どうか皆さん方は、その確信を強くもっていただきたい。(拍手)
 広宣流布の主体、根底もまた人であり、広宣流布を成就するもしないも、究極のところは私達自身の胸中にあり、一念のなかにあるとの、厳しい指針を示された御書であります。
 したがって、私どもは、この御金言は「広宣流布は、手をこまねいて待っていても絶対に成就するものではない、広宣流布の道を切り開くか否か、王仏冥合の大偉業の成否も、全て私ども一人一人の人間の、現在の決意、責任、行動によって決まる」と大聖人が仰せであると再確認して、強い自覚をもって進んでまいろうではありませんか。(拍手)
 「之に依つて天台は仏世すら猶人を以て法を顕はす末代いづくんぞ法は貴けれども人は賤しと云はんやとこそ釈して御坐候へ」――この御文は、法の根底が人であることは、釈迦在世以来変わらざる方程式であることを説かれている。釈迦の場合でも、法が大事であったけれども、せんじつめれば人であった。天台の場合も摩訶止観が大事であったというけれども、更に大事なのは、それを弘める人であった。なかんずく末法の大白法流布の時代においては、弘める人が最も大事のなかの大事であることを示された御文なのであります。
 私は更にこの文を拝読して、末法化儀の広宣流布の今日においては、他のいかなる時代よりも、人が大事である、人材が大事である、一切は人によって始まり、人によって有終の美を飾るものであるということを申し上げておきたい。(拍手)
 「されば持たるる法だに第一ならば持つ人随って第一なるべし」――この御文は私どもの持っている大御本尊は、世界一、否、大宇宙の根本原理であるからその偉大な法力は厳然とそれを持つ人の人間革命の実証としてあらわれてくる。詮ずるところ広宣流布の道はすなわち各人一人一人の人間革命の生きた集積である、ということになるのであります。私達は一人一人が弱き自己と戦い、名聞名利を排し、責任感にあふれ、真心の戦いをしていくところに、広宣流布の勝利、王仏冥合の勝利が到来すると叫んでいこうではありませんか。(拍手)
 また、人と法との関係を組織に約していえば、組織自体は法となります。人とは、それを動かし推進する主体たる私どもであります。したがって、その組織が伸びるかのびないか、上げ潮になるか、逆にし、引き潮になってしまうか、それは全部、組織を支える人によって決まるということになるわけです。
 私どもの組織、環境は、自分自身の姿を映し出す鏡としていただきたい。そして常に自分自身を反省し、奮起し、前進していっていただきたいのであります。それがすなわち、自分自身の人間革命に通じ、広布実現の源泉であり、そしてまた、皆さん方自身の和合僧の模範的な功徳の確立になるわけであります。
 どうか、皆さん方が体を大事にし、事故なく明朗に、駿馬のごとく自己の戦野を雄々しく、楽しく駆け巡っていただきたいことを心からお願い申し上げ、ともに皆さん方のご家庭の安泰とをお祈り申し上げまして、私の話といたします。(拍手)

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