Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

中部三総合本部合同幹部会 全員が仲良く団結

1968.1.25 「池田大作講演集」第1巻

前後
5  信念と希望で苦境を打開
 今、経済界では″三月危機″という言葉がささやかれております。日銀では景気の過熱を防くために、昨年九月に引き続き、公定歩合の引き上げを行ないました。こうなれば各銀行とも財布のヒモをきつく締め、いよいよ三月の決算期には、そのあおりをうけて、どれほど多くの中小企業が倒産するかわからない状態となっており、巷間、未曾有の倒産が予想されるわけであります。
 こうした弱い者が犠牲になっていく冷酷非情な経済体制は、どうしても抜本的に解決していかなければ、最大多数の民衆の幸福は望めない。
 しかし現実には、あまりにも資本主義体制が強固で、自民党が強すぎる。それに対し、革新陣営は「革新」を掲げるだけで、本当にこの旧悪を打開しようという情熱がなく、なれあいになってしまっている感がある。この悪循環がとうとう第二次世界大戦後二十二年、表面的には高度成長を続け、繁栄しているようにみえても、その半面、こういう深刻な危機となって厳しく現われてきたともいえる。
 このときにあたり、私は、有名なイギリスの哲学者、バートランド・ラッセルの言葉を思い出します。それは「暗い時代こそ、人々にとって明確な信念と十分な根拠をもった希望が必要なのである」という一節であります。
 私どもには信心という、誰人にも負けない絶対の信念があります。そしてまた、広宣流布、王仏冥合という万人を納得させる根拠をもった希望があります。
 この信念と希望で、私どもは、常寂光土の建設を目指し「夢に見たよい社会」を描きながら、人間性社会主義、経済の体制を確立していくまで、一歩一歩しっかりと基礎をつくりつつ、一人も落後することなく、勝利を勝ち取っていこうではありませんか。(拍手)
 どうか全員がこの危機を立派に乗り越え、変毒為薬して、本年の末には「栄光の年」らしく、だれよりも福運を積み、幸せな一年間の総仕上げができたという証拠を、御本尊にご報告していただきたいと念願するものであります。
 その根本は、なんといっても信心にあることは、いうまでもありません。御書にいわく「法華経を持ちまいらせぬれば八寒地獄の水にもぬれず八熱地獄の大火にも焼けず、法華経の第七に云く「火も焼くこと能わず水もただよわすこと能わず」等云云」と。
 この御文は、法華経、すなわち三大秘法の御本尊をたち、リズム正しい信心即生活が確立されているならば、どんな苦しい時代に入ったとしても、絶対に窮乏生活には落ちないという断言の書なのであります。この御金言を強く確信して、題目を心豊かにあげぬいて、隣近所の人から、また職場の人々から、愛され親しまれる一人一人になり、全員が一歩前進されんことを心からお願いするしだいであります。(拍手)
 最後に、きようの会合に出席できなかった人々に、くれぐれもよろしくとご伝言ください。

1
5