Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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広布途上における大講堂建設の意義  

1958.2.1 「会長講演集」第4巻

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3  三、かずかずの瑞相
 ひるがえって、大講堂建立にさきだちて、不思議なる現証が起こったことは、絶対にみのがすことはできない。
 瑞相御書にいわく『仏法華経をとかんとし給う時五瑞六瑞をげんじ給う』あるいはまた『序品の放光は東方・万八千土、神力品の大放光は十方世界、序品の地動は但三千界・神力品の大地動は諸仏の世界地・皆六種に震動す』と。また天台大師のいわく『蜘蛛ちちゅう掛れば喜び来り鳱鵲かんじゃく鳴けば行人至ると小すら尚徴有り大焉ぞ瑞無からん近きを以て遠きを表す』等云云。
 大講堂建設直前、本山に良質の水が湧出したのである。この静岡県上野村一帯は、地下水が少なく、たびかさなる調査の結果、いつも水はでなかった。水脈はないとの結論であったのが、現在の宗務院脇地下二十五メートルの地点から豊富な水が湧出し、本山、長年の難問題が、一挙に解決したのであった。
 日昇上人は、この慶事に際し『経文には“湧出泉水”と説かれ、広宣流布の時には、絶対に、水が出ることになっております』と申されたのであった。
 ここに、大講堂建立の基礎は、まったくなったのである。これ戒壇建立の瑞相のひとつであると信ずるものである。次に、比叡山延暦寺の大講堂が、昭和三十一年十月十一日、一夜にして灰燼に帰したことである。
 十法界抄にいわく『迹門の大教起れば爾前の大教亡じ・本門の大教起れば迹門爾前亡じ・観心の大教起れば本迹爾前共に亡ず』とのおおせのごとく、まさに本門の大講堂建立にあたり、迹門の大講堂の焼失があったのであった。これ厳然たる仏法の不思議でなくてなんであろうか。
 次に建築の基礎工事にあたり、漢、鮮、日の三国にわたる、古銭が発掘されたことである。これ朝鮮、中国、インドに、大聖人様の仏法が流れゆく意義を有するものとも感ずるのである。さらに、大工事にあたり、大切な生命である工事人の事故がないこと等、かずかずの不思議は、大講堂の壮観とともに永遠に伝えられていくことであろう。
4  四、御本山の威容
 いま、本山において、主要なる建物をみれば、客殿、奉安殿、講堂、五重塔、御影堂等がある。そして、これらの堂宇は、広宣流布への途上にあって、それぞれ大事な行事が行なわれていくのである。すなわち、大客殿は、勅使派遣のときのために、大講堂は、真実の仏教、教学振興のために。
 はじめ学会の折伏戦が行なわれるや、大衆は学会の組織に目をみはり、その力の偉大さに注目をしたものであった。学者等は、創価学会の、初代会長、牧口先生の価値論をもって、学会の全体なりとみてきた。しかるに、大講堂建立の暁は、大聖人様の仏教哲理をば、必ずや、注目するにいたっていくことは、必然なことである。大講堂こそは、世界唯一の、全世界の思想を指導していく源泉となることを信ずるものである。
 原水爆におののく東洋の元首、指導者たちが、唯一の人類救済の指導原理であり、東洋仏法の真髄たる、末法の救世主、日蓮大聖人様の仏法をば、この講堂に、聞きにくることも、間近に迫ってきているのを確信するものである。(当時、参謀室長)

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