Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

男子部幹部会 第三文明の建設

1959.7.3 「会長講演集」第4巻

前後
1  会長先生が、いちばん期待をかけられたのは青年部です。青年部は学会の宝なのです。わが青年部が育って、東洋の指導者になっていかねばならないことは、とうぜんなのです。青年部が育って、初めて広宣流布ができるし、東洋の指導ができるのです。それは、会長先生の、ただひとすじの期待だったのです。それだけは、はっきりしていただきたい。諸君が偉くなり、諸君が成長して、東洋の広宣流布をするのだ! ということを、きょうは誓い合いたいと思うのです。
 いまの政治家は党利党略、名聞名利、人気ばかり考えて、少しも国家のことを考えていません。まるで男の芸者みたいなものだ。国を救い、民族を救う力もなければ、信念もないのです。政治家でなくて、政治屋ですよ。ひとつの商売なのですよ。
 これからの政治家に、なにがいちばん必要か。根本は慈悲です。慈悲なくして、なんで民衆を愛せますか。学会から出た政治家こそが慈悲をもっています。ほんとうに民衆を救う資格があると、私は信ずるのです。
 二、三日前に、イギリスの大使館の人が話を聞きにきました。四、五日前には、アメリカ大使館からも本部へきました。もうじき、ソ連と中共からもくることになっている。
2  全世界の人々が、われわれの想像以上に学会を注目し、重要視して、いろいろ研究し、聞いたことを、ぜんぶ本国に報告しているのです。それだけ、南無妙法蓮華経の日本の広宣流布ができる大前提があると信ずるのですよ。
 その大使館の人たちに、新理事の北条さん、森田さん、青年部長らが会っているのですが、『青年が信仰している。しかもリーダー格である』ということに、異口同音に恐れをいだいております。それは、それとして、彼らは学会のことを超国家主義、超愛国主義、全体主義だとみています。まだまだ無認識です。
 こういうときに、大きい学会の組織が発表されました。青年部は、小さな班や組のことのみにとらわれないで、青年訓・国士訓があるように、大きく目を開いて、国をになう青年として、修行していかなければならないと思うのです。
3  それから、いまの新聞や雑誌も学会の行く手というものがわからない。右翼なのだか、左翼なのだか、逆コースなのだか……わけがわからないのです。わかるわけがありません。だれもわからないのです。ある新聞では中世の祭政一致だなんていう。頭が悪いのだ。それから、自民党やなにかのほうでは、自分のほうだと思っている。ある学者は『地区』などというのがあるから、共産党にいくのではないか。
 ある人は、部隊長とか隊長とかいうから軍隊だ、右翼に違いないなどと……。頭が悪い。みんな間違いです。だれも知らない未曾有の学会なのです。
 そこで知っておいていただきたいことは、学会は資本主義でもなければ、――いま日本は資本主義ではあるけれども――自民党思想でもなく、社会党思想でもない。だからわからない。両方とも引っぱろう引っぱろうとするのです。いま必要なのは第三文明です。
4  わが地球上に第三の火がともったのです。第一の火は石油や石炭の火です。第二の火は火薬の火、第三の火は原子力の火です。精神文明の世の中でも、また物質文明の世の中でも、ものたらぬ。どうしても、全民衆の根底からの欲求というものは、物でもなく心でもない。真実の幸福と、それから渇仰しているものは、色心不二の哲学から出発した、第三文明が必要な時代であると思うのでございます。
 したがって『最高の文化が広宣流布である』と会長先生がおおせになったこともありますが、ここでいう最高の文化とはなにか。第三文明です。これからの文明なのです。いままでのカビのはえたような、偏頗な文明ではないのです。
 したがって、思想的にいっても、共産思想でも、社会思想でも、自民党みたいな偏頗な、あいまいな思想ではない。いまだかつてない、全人類が根底から要求しているところの『新社会主義』こそ、王仏冥合の思想であると、私は信ずるのでございます。だから、いまの知識人でも、ジャーナリズムでもわからない。新しい民衆要望の思想を、会長先生から打ち立ててくださったのです。
5  そういう意味で大事な皆さん方です。からだに気をつけて、がんばってください。そして、いま、学会は諸君の先輩であるわれわれが、最高幹部になりました。われわれは、諸君の露払いです。諸君が東洋の、世界の檜舞台で、思う存分に日蓮大聖人様の使いとして活躍ができるようにするため、犠牲になっていきますから、あとに続いていらっしゃい。われわれは青年部とは離れません。安心してついていらっしゃい。
 青年部をはずして、どこに学会の骨がありますか。われわれは去りませんから、われわれは最後まで青年部におりますから、そのつもりで勇気をもって、希望をもって進んでいただきたいと思うのです。
 最後に、これからもいろいろな戦いがあると思いますが、青年の団結で、青年部の団結で学会を推進しようよ。青年部の団結で世界を推進しようではないか。青年部の団結が世界を救うのです。
 外道ではありますが、ナポレオンは二十代、三十代であれだけのいくさをし、ロシアで負けました。あれは慢心して追撃するのを忘れてしまったのです。最初はエルバ島に流された。そのときに『このまま終わったならば、死んで、アレキサンダーやシーザーと語ることができない』といって、彼はもう一回立ち上がりました。
 まあ、ワーテルローで負けはしましたが……。
6  われわれも青年期は、思う存分に活躍して、思う存分に最高の人生を生ききって、なんの悔いもない仏道修行をしよう。霊鷲山に行って『戸田先生、おもしろかったです。なんの悔いもありません』といえるように、青年期を生きようではないか。(当時、総務)

1
1