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日蓮大聖人・池田大作

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参院選後の批判に答える  

1959.6.12 「会長講演集」第4巻

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2  『学会の候補者はいずれも高位で当選し、自社両党をはじめとする各党派に、“僧兵恐るべし”の印象をうえつけた』(毎日新聞六月五日付)などといったように、学会のことを僧兵などとみているが――。
 政界の僧兵などではない。わが創価学会の会長戸田先生の根本の教えは『国士であれ』ということである。けっして宗教家であってはならないということである。
 社会一般では、学会は坊さんの集まりであるとか、たんなる信者の集まりであると思い込んでいるが『国士であれ』というのが、先生の遺訓です。
 国士とは、国家民族の幸福のために、根底から救う理念をもって、それぞれの境遇、おのおのの立場で働く人のことです。国士というと、なにか政治家だけが国士であるというような感がなくもないが、会社にあって、職場にあって、りっぱに働く人は国士です。科学者だって、もちろん国士ですよ。先生のお遺しくださった国士訓を、よくよく拝してごらんなさい。
3  では、このたびの学会の進出に対する国内ならびに海外での反響については、どうだろうか。
 浅沼稲次郎社会党書記長は『政治家は反省しなければならない。政府の施策に、足らざるものがある。困窮者を出さないことです。結局、政治の貧困がこうさせていると思います』と、その原因を政治の貧困に求めているが――。
 これは与党、野党ともにいえる。いずれも国家的見地にたたず、党利党略にのみはしり、野党は野党で、なんでも与党に反対すればよいといった傾向が強く『大衆の幸福』とはまったく遊離している。
 そのうえ、与野党ともに、いたずらに誇大な政策をかかげて、あきられ、新鮮な、そして依存し、信頼できる人物にも乏しいという大きな欠陥をもっている。
 外国に行ってまで日本の悪口をいうような政治家をどうして支持することができようか。日本の国は、日本人が愛していかなければならないと思う。
 なんといっても、有能にして高潔であり、しかも信念をもっている新しい政治家の出現を、社会は、大衆は待っている。国家民族のために、ほんとうに依存できる人を待っている。この点、学会推薦の候補者に、何十万という数多くの票が投ぜられた事実は、なによりの証拠といえよう。
4  海外における反響のひとつとして、英国のロンドン・タイムズ紙は日本の参院選の結果について『直言すれば、日本の民主主義など、まったくの見せかけにすぎない。こうした現実が改められないかぎり、今回の選挙で狂信的な宗教団体(創価学会をさす)の進出が示すように、舞台ソデで待ち構えているのは、古めかしい神々だけということになる』(東京新聞六月八日付)とみているが――。
 会長戸田先生が人類救済の旗上げをなさったときには、学会は『ファッションだ』『左翼だ』『暴力宗教である』と、さまざまにみられてきた。
 それが、七年、十年たった今日では、どうやら日本国じゅうの人々は学会を正しく認識しようとしはじめた。
 そして、たまたま、このたびの参院選では、日本国じゅうの大問題として、その焦点となった。それのみならず、いまでは世界にその反響が波及し、さまざまな見方をしている。
 しかしながら、この世界の人々も、日本の人々が、いままでより以上に、学会の姿を正しく認識すれば、日本人の認識に比例して、納得していくことだろう。
 『日蓮が悪名、天下にとどろけり』と御書にもあるように、学会は今回の選挙で世界に波動を与えた。これは善につけ、悪につけ、世界広布の宣言になっているのである。(当時、総務)

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